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富士通:ポスト「京」のCPUの仕様を公表


富士通は、世界的なハイパフォーマンス・チップに関するシンポジウムである「Hot Chips 30」に参加し、ポスト「京」に搭載するCPU「A64FX」の仕様を公表した。

 富士通は、高性能プロセッサと関連技術に関する世界的なシンポジウムである「Hot Chips 30」に参加し、ポスト「京」に搭載するCPU「A64FX」の詳細を公表した。ポスト「京」は、世界のスーパーコンピュータをランク付けするTOP500リストで2011年に世界一となった「京」の後継機として、富士通と理研が開発しているスーパーコンピュータで、2021年頃の共用開始を目指している。




 A64FXは、このポスト「京」に搭載する高性能CPU。幅広いアプリケーションに対応する汎用性、Tofuインターコネクトによる超並列、超低消費電力、メインフレームクラスの高い信頼性などを実現する。




 A64FXは、Arm Limited社のArmv8-A命令セットアーキテクチャをスーパーコンピュータ向けに拡張する「SVE (Scalable Vector Extension)」を、世界で初めて採用したCPU。富士通は、アーム社との協業により、SVEの策定にリードパートナーとして貢献し、その成果をA64FXに採用した。




 A64FXのマイクロアーキテクチャ(ハードウェア設計技術)は、富士通がこれまでスーパーコンピュータやメインフレーム、UNIXサーバで培った技術を発展させて開発。高性能積層メモリの高いメモリバンド幅性能を引き出すハードウェア技術により、CPUの高機能の演算処理部を効率よく利用できるため、高いアプリケーション実行性能を得られる。CPUとCPUの間を「京」に向けて開発された独自のTofuインターコネクトで直結し、並列性能を向上している。


 倍精度(64ビット)浮動小数点演算のピーク性能は2.7テラフロップス以上で、単精度(32ビット)ではこの2倍、半精度(16ビット)では4倍の演算スループットが得られる。すなわちアプリケーションが単精度や半精度の演算を活用することで、より高速に結果を得ることが可能。また、16ビット整数、8ビット整数の演算性能も強化し、従来のスーパーコンピュータが得意とするコンピュータシミュレーションだけでなく、ビッグデータやAIなど、幅広い分野に適応するCPUとなっている。




 Armアーキテクチャは幅広くソフトウェア開発者・ユーザに受け入れられており、富士通はArmのコミュニティに参加することで、オープンソースソフトウェアなどを含めたソフトウェア資産を利用しながら、Armアーキテクチャによるエコシステム発展にも貢献していく。

A64FXの仕様

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