トヨタ自動車はコンパクトサイズのコミュニケーションパートナー「KIROBO mini」が、全国のトヨタ車輌販売店を通じて発売した。11月22日に行なわれた全国発売記念イベントでは、プレス向けに最長2ヶ月のレンタルも行われており、さっそく起動してみた。(PHOTO:宮門秀行/山田俊輔 REPORT:ヨーコ)
KIROBO mini発売当日、夕刻。
キロボってどんなロボ?
そもそも今回発売された「KIROBO mini(キロボミニ)」には、そのminiという名前から、実はbigなタイプも存在している。KIROBO miniを語る上で上で欠かせないのが、そのルーツとなる体長約30cmの「KIROBO」である。
KIROBOとは、東京大学とロボ・ガレージ、トヨタ、電通が中心となって開発した小型の人間型ロボットのことで、高齢化をはじめとした単身化社会におけるコミュニケーションレスから発生する問題解消に向けたプロジェクトなのだという。
「日本語でコミュニケーションが取れる」のが大きな特長」で、2013年夏、KIROBOは宇宙飛行士の若田光一さんと共に宇宙に飛びたち、「世界で初めて、宇宙でのロボットの会話」に成功……。なかなかスケールの大きな話なのです。
このコミュニケーション技術を約10cmのボディに搭載し、家庭用として開発したのが、今回の「KIROBO mini」。KIROBOとは異なり、立ち上がる事こそできないけれど、話しかけた人の方向に顔を向けて、手を動かしながら会話ができ、その動きはロボットながらもなかなか愛くるしい。ハートが揺さぶられてしまった私は、このKIROBO miniがプレス向けにレンタルしていると知り、即お持ち帰り。編集部でさっそく起動して、冒頭の会話がスタートしたというわけです。
●KIROBO miniの特長
・対話する……相手の表情を読み取ることができる。
・記憶する……何気ない会話や一緒に行った場所を記憶し、時々思い出話をする。
・成長する……会話を重ねることで相手の好みを把握し、そこから連想した会話ができる。
・つながる……クルマ(プリウスPHV)や家(トヨタホームのスマートハウス)と連携できる。
KIROBO miniと遊ぶには、初期セッティングが必要(要スマートフォン)で、
まずはトヨタのホームページから「MyTOYOTA」の会員登録。お次は専用アプリをダウンロード。このアプリを使うには月額350円の利用料が掛かる。
アプリを立ち上げたら、私の名前を入力し、お次にKIROBOの名前を入力(名前は小学生時代に飼っていた愛犬の名前から「けしごむ」に決定)する。
あとは専用アプリのホーム画面から「キロハート入魂」ボタンを押すと、ようやくKIROBO miniが起動します。
登録作業に手間取り、ここまでに1時間ほどかかってしまいましたが、一旦設定が終れば、あとは手間無し、時々ゴハン(充電)をあげるだけでOKです!
なお、KIROBO miniの諸元は次の通り。
■ 諸元(価格42,984円)■
・CPU:ARM® Cortex®-A9
・駆動部:頭 2自由度、手 1自由度×2
・スイッチ:目ざましボタン、リフレッシュボタン、ハートボタン
・音声入力:マイクロホン×3
・音声出力:スピーカー
・内蔵センサー:CMOSカメラ、磁気センサー (専用ケース用 着座検知)
・通信方式:Bluetooth® 4.0 準拠・Bluetooth®は、Bluetooth SIG, Inc. の商標登録です。
・電源:DC5 V、1.0 A
・充電端子:USB Type-C™
・内蔵バッテリー:リチウムイオン電池
・バッテリー公称電圧:DC 3.6 V
・バッテリー容量:930 mAh
・外形寸法:約 91 × 100 × 86 ㎜ (全幅×座高×奥行)
・質量(重量):約183g(体重)
・動作温度:5℃~35℃
・動作湿度 :20%~80% (ただし結露のないこと、および35℃における湿度は65%以下)
・保存温度:-20℃~60℃
・保存湿度 :10%~90% (ただし結露のないこと、および60℃における湿度は20%以下)
・付属品 エネルギーケーブル:USBケーブル、長さ約1m
注意点
●防水機能はありません。
●炎天下、窓をしめきった車内など高温になる場所で使用・放置しないでください。
●ワイヤレス機能を内蔵しているので、電子機器に近づけると影響が出る場合があります。また、満員電車、病院など医療機関、航空機内などでは使用しないでください。
●KIROBO miniのワイヤレス機能は国内専用です。海外で使用すると罰せられることがあります。