ホイールを大きくしても、小さくしても
タイヤ外径を変えてはいけない理由
車検や安全性にかかわる重要なキーワード
インチアップの定石として〝タイヤ外径を変えない〟というのがある。
無視すると痛い目にあう可能性が高まる大事なルールだ。
守らなければいけない理由は2つ。ひとつは車検だ。
車検時、スピードメーターの検査があるのは知っている人も多いと思うけど、メーター表示が時速40㎞のときに実際の速度が決められた範囲内になければいけないというもの。
時速30・9㎞から42・55㎞(平成18年12月31日までの製造車は44・4㎞)の範囲と決められていて、それを逸脱すると車検がNGになるのだ。
これをタイヤ外径に当てはめると、純正タイヤ比でおおよそ78・5%から106%の範囲。外径が大きい方が厳しいのは、1回転で進む距離が大きく、メーターよりも速度が出て危険だから。
一方で、ふたつ目が外径が小さくなるのを避けたい理由、ロードインデックス(荷重指数・LI)だ。
LIはタイヤ1本あたりが許容できる荷重のことで、これが不足するとバーストする危険が高まる。
低扁平の方がLIが小さい傾向で、インチアップするとLIは小さくなりやすい。その上、外径が小さいとさらに不足しやすい。
これが外径を変えないイメージ。ホイールの面積が変わるけど、全体は変わらないから、インチアップすれば低扁平になるし、インチダウンすれば高扁平に。
純正でもメーター表示の誤差は多少ある。しかし、タイヤ外径によって変わる量は、時として危険値だ。
カスタム志向によっては逸脱するケースもある
アゲ系で人気のテレーンタイヤは、外径が大きい方がカッコいい。それ故、大きいサイズを選びがち。メーターより速度が出るので注意。
純正よりも外径を下げる理由として大きいのは、車高を下げるため。シャコタンにこだわるオーナーは、引っ張りなどでさらに外径を落とす。
サイドウォールには他にも情報がいっぱい
製造記号
製造年月と工場のマーク。写真の場合、2020年11月にGNP 工場で製造されたことを示す。経年劣化の目安になる。
回転方向指定
指定方向に回転するよう取り付ける必要がある場合に示す。スポーツタイヤに見られる。内・外側を指定するマークもある。
スリップサイン
タイヤの摩耗具合を判断するためのマーク。△の延長線上に山があり、トレッドが同じ高さまで減ったら要交換のサイン。
スタイルワゴン2020年5月号より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ]