2019年の年の瀬が迫って来たこの時期、今年のクルマネタを振り返ってみると、やはり「煽り運転」に関するニュースが目立った印象が強い。ただ、個人的に思うのは、今年に入って急に煽り運転が増えたというわけではなく、ドライブレコーダーの普及によってそれらの行為を記録する機会が増え、さらに、SNSを中心とした動画の共有方法が多様化・簡易化されたことで、一気に表面化したということではないかと筆者は推察している。
一般社団法人 電子情報技術産業協会の統計によると、2019年度上半期(4〜9月)におけるドライブレコーダーの出荷台数は2,397,388台(業務用・コンシューマ用を含む)。ちなみに、2018年度が1,651,075台、2017年度が848,252台だったことを考えると、たしかに急激な伸び率であることは間違いなさそうだ。
テレビのワイドショーなどでも多く取り上げられた、常磐道の恫喝および暴行の事案はあまりにも極端な例だとは思うものの、軽微なものも含め「煽り運転」はこれまでもあったように思うし、何なら自分の胸に手を当ててみて、身の潔白を証明できるかというと疑問符がつくことも自覚しているつもりだ(告白)。
筆者の体験した昭和の「煽り運転」
おそらく…。いやきっと、世のなかに自動車の数が増え、交わって通る「交通」という概念がうまれた瞬間から「煽り運転」は存在していたのではないか。そんな風に思えてならない。ここで、筆者の体験した昭和の「煽り運転」をちょっとだけ紹介しておく。
今から30年以上前。…つまり元号は平成ではなく、昭和。確か深夜のできごとだった。関東のとある県内の県道(片側1車線、センターラインは黄色)を弟とドライブしていた。当時は実家住まいだったので、あのときは父親のクルマを深夜に拝借して乗り回していた頃だったと思う。さぁ、もう帰ろうかというとき、たしか制限速度が50km/hの道を若干超える程度のスピードで走っていたところ、後ろから猛然とパッシングされた。