花見団子の三色が表すものは?
新しい季節が始まりました。
入学式や入社式、部署異動など、新しい環境でこの4月のスタートを迎える方も多いのではないでしょうか?
そんな私たちを勇気づけるように、花々が咲き始める春。桜も見ごろの時期を迎えました!
東京では沖縄を除く日本各地よりいち早く、3月末に開花宣言がありました。近年は、温暖化がすすみ開花宣言が全国的に早まる傾向にあるようです。もうすでにお花見で楽しまれた方もいらっしゃるのでは?
ところで、花見団子の色は「ピンクが花、白が雪の名残、緑は新緑」を表しています。花見の時期に、雪が降ったり冬の寒さがぶりかえしたりの「花冷え」は、昔からだったのでしょうか。
今回は桜にまつわるよもやま話をご紹介します。
暖かい室内で花見ができる長野県名物「花見茶屋(花見小屋)」をご存知でしたか?
お花見といえば、まだ寒さが残る中で桜の美しさに春の訪れを仲間で祝うために、まだ弱い春の日差しの寒空の下、早朝から凍えながら花見の陣取りの役目を任される方もいるのでは…。
せっかくの桜の名所も人工的なブルーのビニールシートに地面が覆われてしまうとなんだか残念で、もう少し景観を損なわない風流なシートがないかしらとも思いますが、束の間の桜を楽しみ心が騒ぎ浮かれるてしまうのは、古来も同じ。平安時代からスタートした花見の文化からこの心が現代にも引き継がれているのは素敵なことですね。
但し、いまや花見の狂騒のシンボルである上野は、徳川家将軍の菩提寺である東叡山寛永寺の山内でもあるため、鳴り物は禁止、花見は午前6時~午後4時までと時間に制限もありました。節度をもって粋に楽しみたいものです!
長野県では、全国でも珍しく寒さをしのぐ小屋がこの季節は立ち並び、その中で桜を楽しむ風習があるそうです。暖かくてうらやましい!室内に本物やフェイクの桜を飾り飲食を楽しむ小屋もあるそうで面白いですね。
圧巻!人を感動させてくれる「名木」とは?
各地に桜の名所が多数ありますが、古くから「名木」と呼ばれている桜もあり、是非一度その生命力あふれる佇まいを拝んでみたいものです。
●三春滝桜(福島県三春町/みはるちょう)
エドヒガン系の紅枝垂桜(ベニシダレザクラ)で、見ごろは4月中旬~下旬
●山高神代桜(山梨県北杜市/ほくとし)
推定樹齢1800年とも2000年とも言われるエドヒガンザクラで、見ごろは4月上旬
●根尾谷の淡墨桜(岐阜県本巣市/もとすし)
樹齢1500年以上のエドヒガンザクラの古木で見ごろは4月上旬~中旬
●仏隆寺の千年桜(奈良県宇陀市/うだし)
山桜とエドヒガンの亜種で、見ごろは4月中旬~下旬
●醍醐桜(岡山県真庭市/まにわし)
アズマヒガン(ヒガンザクラの一種)で、見ごろは4月中旬
●大藪のひょうたん桜(高知県仁淀川町/によどがわちょう)
学名はウバヒガン、つぼみの形がひょうたんに似ていることからいつしか「ひょうたん桜」と呼ばれるように。見ごろは4月上旬
出典:平凡社「くらしのこよみ」
桜が美しく開花するのは寒い冬を乗り越えたから。温暖化を考えてみる
開花する時期は、暖かい日が続く長さなどの気象条件の影響を受けるのですが、実は冬の寒さも大事な条件の一つだとか。
桜は春に花が散ったあと、夏から秋にかけて気温の高いうちに花芽(生長すると花となる芽)を作ります。冬が始まると桜は葉を落として見るからに寒々しい裸木になりますが休眠に入り生長は一旦止まります。
さらに気温が下がり真冬になると、厳しい寒さが目覚まし(休眠打破)となり、それから気温が上がるにつれて一気に生長し、つぼみがふくらんで花が咲きます。冬の間に貯めこんだエネルギーを一気にほとばしらせ、樹全体で開花。この桜のエネルギーに私たちは心動かされるのでしょうね。
桜には、このよう一定期間低温にさらされた後に暖かくならないと花を咲かせない性質があるわけです。現在桜が平地で開花する南の限界は鹿児島県の種子島や伊豆諸島の八丈島と言われていますが、これらの地点では満開にならずに散ってしまう年も観測されるようになっています。
暖冬が続き、休眠打破が正常に行われにくくなっていることが原因ではないかと考えられています。温暖化に対応した桜の品種研究もなされているようですが……。
美しい桜のためにも、小さくても積み重ねれば大きな影響力となる、温暖化を促進させない私たちにできる毎日の心がけを行っていきたいものです。
新しい季節、桜からのパワーをあやかりにお花見にでかける際は、風邪などひかないよう寒さに備えた暖かな恰好でおでかけください!