三連休の中日。明日20日は天文学上の太陽が「春分点」にくる「春分の日」ですが、これからだんだんと夏に向かって日が長くなっていきます。
春分の日を中日に前後3日間の期間が春のお彼岸です。今年の春分の日は20日でしたので、明日23日がお彼岸の最後の日、「彼岸明け」です。お彼岸といえば、お墓参りに行く、または行ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか?最近では諸事情によって「お墓参りに行きたいけど行けない」という方のために、お墓参りを代行してくれるサービスもあります。今回は、春分の日の決め方から、お墓参り、お供えものまで、春分の日のあれこれをまとめてご説明します。
春分の日はいつ誰が決めるの?
3月の祝日といえば、春分の日です。
今年、2017年は3月20日にありましたが、通常、3月20日から21日ごろ、年によって変わります。
この春分の日が正式に決まるのは、実はその前年の2月です。
国立天文台が「暦要項(れきようこう)」という日本の公式の暦にまとめて、2月の最初の官報に掲載します。ここには国立天文台で推算した翌年の暦が書かれていて、その中で「春分の日」がいつになるかということも記されています。
ちなみに、2018年の春分の日は3月21日となっています。
お彼岸があるのは日本だけ?
春分の日は、秋分の日とともに、昼と夜の長さがほぼ同じになる日です(正確には昼の方が長いようです)。そしてそれぞれの日を中日とした前後3日間、計7日間を彼岸といいます。
仏教でいう「彼岸」という言葉は、悟りの境地という意味があります。「向こう岸」とか「対岸」といった意味もあり、「此岸(しがん)」こちら側の岸、すなわち今、私たちが生きている現世に対して、仏の世界といった意味で使われます。
先祖のいる浄土は西の方にあると説かれていることから、真西に日が沈むこの時期、先祖供養のための法要がお寺で営まれたり、また家庭でもお墓参りをするなど、先祖を供養します。
ただこのお彼岸の行事は、日本独自のものといわれていて、仏教が生まれたインドや、中国などでは、この時期にこうした行事はないそうです。
お墓参りの代行サービス
さて、最近では高齢者や遠方にお墓があってお参りができないという人のために、お墓の清掃やお墓参りの代行サービスというサービスがあります。
お墓の専門家である石材店をはじめ「供養」に関連するビジネスを行っている企業や、家庭の掃除サービスなどを行っている企業など、いろいろな会社がサービスを提供しています。
中には、ふるさと納税の返礼としてお墓の清掃サービスを行っている自治体もあります。実際の作業を障がい者のための就労支援施設に依頼するなど、お墓参りを障がい者の雇用につなげようとする取り組みもあるようです。
お墓参り代行のサービスの内容の詳細や料金は各社さまざまですが、大まかには写真撮影(掃除前の状況を記録)のあと、掃き掃除、雑草抜き、花立や線香立ての水洗い、墓石掃除となります。
その後、きれいになったお墓に新しいお花をお供えして最後にもう一度写真撮影。利用者にはビフォー・アフターの写真と掃除の状況を記した簡単なレポートが送られるというのが基本的な流れです。
ぼた餅とおはぎに違いはない?
さて、お彼岸の時期のお供えものとしては、ぼた餅とおはぎが定番です。
このぼた餅とおはぎの違いについては、春は牡丹の花が咲くことから、春彼岸にはぼた餅、秋は萩の花が咲くことから秋彼岸にはおはぎというのが定説のようですが、明確ではありません。
牡丹(ぼたん)は、花が大きく、豪華なので、どかっと大きいのが「ぼた餅」。一方、萩(はぎ)の花は、小さく、しとやかな感じなので、上品で小ぶりのものが「おはぎ」という説。そのほか、つぶあんとこしあんの違い、もち米とうるち米の違い、突き方の違いなど諸説ありますが、どれも決定打には欠けるようです。