
<全国高校野球選手権:京都国際3-2尽誠学園>◇16日◇3回戦
京都国際が逆転勝ちで8強進出を決めた。劣勢のチームを2年生が救った。1-2の8回。2死二、三塁から3番小川礼斗(らいと)内野手がしぶとく一、二塁間を破った。2者が生還して逆転。「もっと3年生と野球がしたい思いで、1球に思いを込めました。結果を出せて良かった」。逆転打に白い歯をこぼした。
一塁守備もさえた。1-0の3回1死三塁からスクイズを仕掛けられたが、猛ダッシュで捕手にグラブトス。間一髪でアウトに仕留めて失点を防いだ。「何が何でもアウトを取ってやろうという気持ちでした。乗っていけた」と満足げだった。
昨夏は入学後唯一のベンチ外だった。「結果で負けたのは悔しかった」。スタンドから日本一を見届け、1年後に懸ける思いは強かった。今年はレギュラーとして甲子園に戻り、8強入りに導いた。小牧憲継監督(42)も次期主将候補に挙げる存在の活躍に納得顔。「本当はホームランを打てるような子に育てたいんですけどね」と笑いつつ「よく食らいついてくれた」とV打をたたえた。
次戦は23年センバツ王者の山梨学院と対戦する。同じ2年生の菰田との対戦も予想されるが「2年生対決で負けるわけにはいかない」と闘志を燃やす。成長途上の昨夏王者が、1歩ずつ頂点へ近づく。【林亮佑】