
<巨人-阪神>◇16日◇東京ドーム
巨人田中将大投手(36)が、あの“名場面”を懐かしんだ。
阪神戦が行われる東京ドームで取材に応じ、15日に今季限りでの引退を発表した中日中田翔内野手(36)への思いを聞かれた。前日が休養日で、この日に取材を受ける形になり、「お疲れさまでした」と、まずはねぎらいの言葉を贈った。「長打がやっぱりあるんで。僕もホームラン何本かいかれてますけど、そこは一番の魅力のバッターだと思う。でも、とはいえ、ケースによってはね、必ずしもそう振ってくるわけでもなかったし」と対戦相手としての印象を語り、「(坂本)勇人のコメントとかでもあったけど、すごい守備も上手やったし、外野守らせてもそうだし、ファーストもそうだし。やっぱそういうなかなかいないプレーヤーだったとは思いますね」と魅力を説いた。
さらに「甲子園でもね、2年生と1年生でやりましたから」と振り返ったのは05年全国高校野球選手権(甲子園)。2連覇がかかった駒大苫小牧2年の田中将は、準決勝で1年の中田がいた大阪桐蔭と対決。先発して5回、中田の第2打席の2球目に内角高めの直球を投じると、のけぞった中田がマウンド側に一歩踏み出した。その態度に思わずにらみ返した。
あれから20年。田中将は「だってあれはね、年下のあいつが先にね。『はぁ』ってなるでしょ」とにこやかに振り返る。「インハイ、ボン投げたら、高めに構えてボン投げて、ああやってなったらそら『はぁ?』ってなる。別に、だからって、なんもないっすよ(笑い)」と笑い飛ばす思い出話だ。
互いに当時を振り返ることはなかったと言うが、球界を代表する選手となった2人の“名場面”として、たびたび話題になる対決。「今でもちょいちょい出てきますもんね」と懐かしんでいた。