
今季限りでの現役引退が発表された中日中田翔内野手(36)が15日、バンテリンドームで引退会見に出席した。中日加入から2年。プロ18年目の今季は25試合で打率1割6分1厘、2本塁打、4打点。ファーム調整を経て7日に1軍再登録されるも、3打席のみで12日に出場選手登録を抹消されていた。
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もう「中田語録」が聞けなくなるのはさみしい。巨人時代の2年半を取材した。日本ハム時代の「レベチ」だけでなく、巨人2年目の22年シーズン開幕前には「自信しかない」と自らを鼓舞するような強気発言を繰り返した。キャッチーな響きに乗っかって「自信しかないん打」というワードを使い倒した記憶がある。
囲み取材となれば、必ず1つや2つはぶっちゃけた発言やワードセンスを披露。サービス精神旺盛なトークは社会人なりたての記者にとっては、毎回のように話題を提供してもらえる、ありがたい存在だった。
負傷離脱中、ジャイアンツ球場では数人の記者を連れての“だべりタイム”もあった。銀座で起きた強盗事件が、通っている酸素カプセル施設の近所で危なかった話、趣味の時計の話、年下の担当記者が増えた話…。そのどれもが面白い。何事も正直にぶっちゃけるのが中田翔スタイルだった。引退会見後にあいさつにいくと「その汚れた靴と変な丈のズボンはなんやねん」と笑ってツッコまれた。がさつな自らを恥じながらも、変わらない「中田節」が懐かしかった。【21年~23年巨人担当=小早川宗一郎】