
<WEリーグ:C大阪ヤンマー0-0マイナビ仙台>◇9日◇第1節◇ヨドコウ
セレッソ大阪ヤンマーレディースの新人MF新井萌禾(もか、18)が、マイナビ仙台との開幕戦にフル出場し、上々のプロデビューを果たした。
リーグ参入3季目を迎えたC大阪ヤンマーで、下部組織出身の選手以外で開幕戦に先発したのは新井が初めて。歴史を塗り替えるにふさわしいプレーを見せた。
「試合に勝てなくて、悔しいという思いでいっぱい。走ってチームに貢献したいと思っていたので、そこで緊張はほぐれた。ピッチに入ったら、勝ちたい気持ちの方が大きかった」
日テレ東京Vの下部組織で育ち、半年前までは女子サッカーの名門、東京都豊島区の十文字高3年。
究極の育成型クラブをうたうC大阪ヤンマーが自前の下部組織以外で、神奈川県生まれの新井を獲得したのは、この日のプレーで説明がついた。
155センチ、50キロの小柄なアタッカーは、なでしこジャパンのFW宝田沙織(25)を中央にした3トップで先発。
無尽蔵のスタミナで駆け回り、前半22分には鋭いドリブルで相手マークを外してクロスを供給。前線への抜けだしやシュート、後半途中からはボランチまで務めるなど、スーパーな働きだった。
「正直何もできないかなと思ったが、ボールにかかわろう、ボールを持とうという気持ちになれた。少しずつ試合に慣れ、戦力になれるように頑張りたい」
U-19日本代表の主力でもあり、この開幕戦は本来はU-20女子アジア杯予選でタイ、マレーシア遠征のために欠場予定だった。それが7月にけがをし、代表不参加が決定。「悔しかったが、開幕戦に向けてできることを準備する」と、気持ちを切り替えた。
7月の新体制会見に臨んだ際は、髪の毛を明るい色に染めていたが、開幕前日の8日に「ちょっと落ち着かせようと黒に染めた。心も全部、落ち着きました」と笑う。
中学時代からの必需品という白のヘアバンドをつけた、背番号19のプレーは際立った。プロ1号ゴールへも期待は高まる。愛くるしいルックスでも人気が出そうで、今季のWEリーグベストヤングプレーヤー賞(新人賞)の有力候補にもなりそうだ。
○…C大阪ヤンマーの下部組織育ちではないFW田子夏海(19)も、途中から開幕戦のピッチに立った。出身地は大阪。同学年の新井より早く25年1月、愛媛FCレディースMIKANから新加入し、24-25年シーズンに11試合3得点の結果を残している。