
<明治安田J1:東京V1-0横浜>◇9日◇第25節◇味スタ
東京Vがホームで横浜との「クラシコ」を1-0と制した。後半17分にDF谷口栄斗(ひろと、25)がクロスボールを頭で押し込み、決勝点を挙げた。6月29日の川崎F戦以来、3試合ぶりの白星となり、暫定ながら12位に浮上した。
守るだけでなく自ら今季初ゴールも奪った。右からMF斎藤が送ったクロスボールに飛び込み“ボンバーヘッド”をさく裂させた。苦境のヴェルディを背負う男が、大事な一戦で勝ち点3をもたらした。「チームにとって大きな意味を持つクリーンシート。これを継続していきたい」。得点以上に無失点勝利を喜んだ。
昨季6位と躍進を支えた主力が次々と移籍した。千田、翁長、木村。そして日本代表DF綱島もベルギー1部アントワープへと渡った。「中断期間、僕がこのチームを救うんだと言う思いが強くなった」。練習から声を張り上げた。もともと多くを語るタイプではないがこの日も周囲を鼓舞し続けた。結果、持ち味とするハードワークがさえた。
城福監督は「外から見たら一見ネガティブな現象もむしろエネルギーに変え、変化のトリガーにしている」。誰かがいなくなっても、その分ほかの選手がチャンスとばかりに目の色を変えて戦う。ニューリーダー谷口がその言葉を実証してみせた。【佐藤隆志】