
<日本生命セ・パ交流戦:阪神-ソフトバンク>◇22日◇甲子園
ソフトバンクの交流戦優勝は投手陣がチームを支えた。優勝決定前まで交流戦12勝のうち先発投手の勝ち星は計9つも数える。小久保裕紀監督(53)が常々口にする「野球はピッチャー」を体現した戦いぶりだった。
右のエース有原航平投手(32)は交流戦全3試合でカード頭の火曜日に先発し、2勝0敗、防御率0・86。今季は開幕当初から不調に苦しんでいたが、交流戦で本来の姿を取り戻す好投だった。左腕エースのリバン・モイネロ投手(29)は3試合先発で1勝0敗、防御率0・78。6日のヤクルト戦(神宮)では球団新記録の1試合18奪三振をマーク。計3試合で37奪三振は、15年以降の交流戦で最多奪三振記録だった。
大関友久投手(27)も2勝(0敗)を挙げ、防御率0・78。自身は21年の交流戦初登板から無傷の6連勝。上沢直之投手(31)は2勝1敗、前田純投手(25)も1勝1敗と奮闘した。
リリーフ陣も杉山一樹投手(27)、藤井皓哉投手(28)、松本裕樹投手(29)が絶対的な「勝利の方程式」を形成。杉山と藤井はコンディション不良などで登録抹消になった守護神オスナに代わってセーブも挙げた。リーグ戦再開後も心強い存在になってくれそうだ。
▼ソフトバンク小久保監督は選手時代の08、09、11年に交流戦で優勝している。選手でも監督でも交流戦で優勝したのは中嶋聡(選手は07年日本ハム、監督は21年オリックス)、今江敏晃(選手は05、06年ロッテ、監督は24年楽天)に次いで3人目。選手と監督を同一球団で経験したのは小久保監督が初めてだ。
◆交流戦の表彰 優勝したソフトバンクには賞金3000万円が贈られる。後日決まる個人表彰は、優勝チームに限らず12球団で最も活躍した選手1人を日本生命最優秀選手賞(MVP)として選ぶ(賞金200万円)。また、両リーグから1人ずつ優秀選手賞(賞金100万円)を選ぶ。
▼ソフトバンクが6年ぶり9度目の交流戦優勝を決めた。交流戦は05年に始まり、20年の中止を挟んで今季は通算20度目の開催。V回数はソフトバンク9回、ロッテ、オリックス、巨人、ヤクルトが各2回、日本ハム、DeNA、楽天が各1回。