
<日本生命セ・パ交流戦:広島0-2ソフトバンク>◇17日◇マツダスタジアム
ソフトバンクが敵地で広島に快勝して4連勝を「日本生命セ・パ交流戦」で12球団断トツの通算貯金100に達した。0-0の1回に近藤健介外野手(31)が2戦連発となる先制決勝2号2ラン。自身の通算100号に王手をかけた“スミ2”が唯一の得点となったが、一塁ベースを踏んだ際に左足かかとを痛め、6回の守備から途中交代した。小久保裕紀監督(53)は18日の出場に厳しい見通しを示すなど、首位快走の交流戦で勝ち越しを決めても心から喜べない夜になった。
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着弾を確認した近藤が突然、表情を曇らせた。一塁ベースを踏んだ際に左足のかかとを負傷。15日のDeNA戦から同箇所に痛みがあったという。「昨日も結構痛かった。今日は何とか良くなってたので。それが悪化したって感じです」。何とかダイヤモンドを1周したが、笑顔はなかった。
0-0の1回2死二塁、広島玉村の直球を逆方向へ流す芸術的な1発。結果的にこの2戦連発の2号2ランが決勝点になり、近藤自身も通算100本塁打に王手をかけた。だが喜びは一転、苦悶(くもん)の表情に。一旦ベンチ裏に下がって手当を受け、プレーを続行したが、6回裏から右翼守備を佐藤直に譲る形で途中交代を余儀なくされた。
小久保監督は近藤について「(痛みを)我慢していた」と説明。5回までのプレーを続行したことについては「追加点が入るまではと思っていたんですけど」と苦しい胸の内を明かした。「18日以降の出場は厳しいか?」の質問には「かもしれないですね。炎症が引くまではね…」と厳しい表情だった。最終的には当日の判断になるが、頼れる4番が欠場、最悪離脱の危機に立たされた。
近藤は今年4月2日に腰を手術。リハビリを経て5月27日に1軍復帰したばかりった。山川と中村晃から4番を引き継ぎ、打率2割8分6厘、2本塁打、9打点と奮闘。昨季のMVPが本領を発揮し、交流戦首位快走に貢献してきた。試合後は多くを語らず、足を引きずるしぐさを見せながらチームバスに乗り込んだ。
この日の勝利で、ソフトバンクの交流戦通算貯金が12球団断トツの100に到達。4連勝で交流戦の3年連続勝ち越しも決めた。それでも手放しでは喜べない広島の夜になった。近藤が再び離脱すれば打線の核を失う。大事に至らないことを願うばかりだ。【只松憲】