
<日本生命セ・パ交流戦:阪神-ソフトバンク>◇22日◇甲子園
ソフトバンクが19年以来6年ぶりの交流戦優勝を決めた。通算9度目は12球団断トツ。得意の交流戦で本領を発揮した。
苦難続きの「セ界戦」だった。守護神オスナは6日のヤクルト戦でセーブ失敗。モイネロの1試合18奪三振の勝利が消え、チームもサヨナラ負けを喫した。その後オスナは配置転換。昨季の本塁打と打点のリーグ2冠だった山川穂高内野手(33)も本来の打棒とはほど遠く、交流戦ラストウイークは2軍再調整になった。
守備の要だった今宮健太内野手(33)は14日のDeNA戦で左脇腹を痛めて離脱した。昨季のリーグMVPと首位打者だった近藤健介外野手(31)は17日の広島戦で本塁打を打った後に左かかとを痛めた。近藤は登録抹消こそされていないが4試合連続欠場中。交流戦前から離脱していた柳田悠岐外野手(36)を含め、アクシデント多発だった。
主力不在の危機を救ったのは柳町達外野手(28)ら20代の選手が多かった。柳町は交流戦期間で規定打席に到達し、パ・リーグと交流戦の首位打者に躍り出た。野村勇内野手(28)は3本塁打。山川から「究極の前さばき」という新たな打撃スタイルを求めて試行錯誤を続けている。オスナの代役守護神は藤井、杉山、松本裕、津森らが日替わりで務めた。ベテラン中村や牧原大、選手会長の周東など経験豊富な中心選手の存在も大きかった。
オスナ、山川、近藤、柳田、今宮が不在でも勝率1位に上り詰めた。25年のソフトバンクは世代交代を見据えたシーズンでもある。選手層の厚さを見せつけた交流戦だった。【只松憲】