
<日本生命セ・パ交流戦:楽天3-2阪神>◇15日◇楽天モバイルパーク
阪神が泥沼から抜け出せず3年ぶりの6連敗を喫した。「日本生命セ・パ交流戦」の敵地楽天戦で、同点に追いついた7回裏から及川雅貴(24)、岩崎優(33)、湯浅京己(25)の3投手を回またぎで投入。優勝争い佳境を思わせる執念継投で連敗阻止、ドローへの意地を体現したが、延長12回に湯浅が力尽きて2試合連続サヨナラ負けに終わった。楽天戦は交流戦カード別ワーストの7連敗。セ全6球団が敗れて2位DeNAとの2・5差も変わらなかったことだけが救いだ。
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夕暮れの楽天モバイルパークに、阪神ファンの落胆と楽天ファンの歓喜が交錯した。2-2同点の12回1死一、三塁。4番手湯浅のカットボールが、楽天代打黒川にはじかれた。好捕した中野が懸命に本塁送球したが、球審は無情のセーフを告げた。2試合連続4時間超の延長戦で連日のサヨナラ負け。連敗が3年ぶりの6まで延びた幕切れは残酷だった。藤川監督は悔しさを押し殺し、6月では異例、まるで優勝争い終盤を思わせる及川、岩崎、湯浅の3投手にイニングをまたがせた理由を明かした。
藤川監督 もちろん(延長も球数も鑑みた)両方ですね。コンディションも踏まえながら、選手の今のパフォーマンスの状態も見ながらですけど。精いっぱいやってくれたと思います。
何としても連敗を止めたかった。先発のドラフト1位左腕伊原が6回2失点でゲームメーク。同点に追いついた7回からブルペン陣に託した。先陣は安定感が光る及川。7回を11球で3者凡退に抑えると、連投ながら4月30日の中日戦以来2度目の回またぎへ。8回は1死二、三塁のピンチを招いたが後続を打ち取り、思い切り拳を握った。
及川 久しぶりの回またぎで空回りしちゃったなと。2つ四死球出したのは反省。でもゼロで帰ってくるのが仕事。そこに関してはよかったかなと思います。
9回は岩崎に託した。だが12球でピシャリと抑えると10回も託した。イニングまたぎは実に4年ぶり。そこまでして勝ちたい指揮官の思いに、守護神も2回無安打無失点で応えた。2回を投げたのは、19年9月10日ヤクルト戦(甲子園)以来6シーズンぶりだった。
岩崎 もうみんなでやっていくだけなんで。疲労?そんなの関係ないです。また来週しっかり投げます。
だが、最後に湯浅がつかまった。11回こそわずか8球、3人で斬ったが、12回は1死から3連打を浴びて終戦。6連敗中2度目の黒星に言葉を振り絞った。
湯浅 何もないです。すみません。
ベンチには桐敷、ネルソン、岩貞、富田、漆原、椎葉の6人が残っていた。これほどの勝負手を打ちながら敗れたショックは大きい。少なくともドローに持ち込みたかった。
藤川監督 甲子園に戻ってしっかり戦っていく。起こること全てを糧に戦うことが非常に重要。あさってから頑張っていきます。
17日からはロッテ&ソフトバンクと交流戦最後の6連戦。まずは何としても7戦ぶりの白星をつかむ。【伊東大介】
▼リーグ首位の阪神は6連敗したにもかかわらず、2位DeNAとのゲーム差は交流戦に入る前と同じ2・5のまま。セ・リーグの上位4チームの交流戦成績は、広島の6勝6敗が最高で、阪神、DeNAが5勝7敗、巨人が3勝7敗1分けと負け越している。阪神が勝てばライバルも勝ち、負けるとライバルも負けるケースが多く、交流戦中、いったん今季最大の3・5まで開いたゲーム差は、6連敗中も1しか縮まらず2・5のまま。差が開きもせず、縮まりもしない珍しい状況で首位を守っている。
▼阪神が楽天にサヨナラ負けを喫し、今季初の6連敗。6連敗は22年8月9~17日に8連敗して以来、3年ぶり。交流戦は同一年では19年6月13~20日に6連敗して以来。
▼楽天には23年の3戦目から7連敗。交流戦で同一カード7連敗は球団ワースト。
▽阪神梅野(延長12回にサヨナラ生還した楽天宗山とホームで交錯)「指、曲がったけどね。なんとか力入ってきて。大丈夫です」
▽阪神坂本(2点を追う7回無死一塁で反撃の適時二塁打)「勝ちたい。みんな悔しいし、でもチームとして勝てるような、勝ちに結びつく野球をみんなでもう1回しないといけない」