
<西武3-2阪神>◇11日◇ベルーナドーム
ウソやろ…。阪神が「日本生命セ・パ交流戦」の敵地西武戦で2年ぶりの逆転サヨナラ負けを喫した。2点リードの9回裏、3番手の湯浅京己投手(25)が1死満塁のピンチを招き、4番手の岩崎優投手(33)が同点打、サヨナラ打を浴びた。前夜は8回裏に2点差を逆転され、この日は9回裏に今季2度目のサヨナラ負け。鉄壁だったブルペン陣が崩れ始め、藤川球児監督(44)は「1つの試練が来た」と表現した。交流戦首位の座は保ったが、リーグ2位DeNAとのゲーム差は2・5に縮まった。
◇ ◇ ◇
いつもポーカーフェースの岩崎が、うつむいた。「全部台無しにしまって。1球も狙ったところに行っていないですからね、自分のせいです」。今季ここまで13セーブと白星を守ってきた守護神が、責任を背負い込んだ。
悪夢は最終回に待っていた。2点リードで3番手湯浅がマウンドへ。1死から3番セデーニョ、4番ネビンに連続四死球を出すと、外崎に内野安打を許して1死満塁。「チームにも将司さんにも申し訳ないです」。肩を落とす右腕からバトンを受け取った岩崎だったが、源田にスライダーを捉えられ、同点の右翼線2点適時打を献上。最後は2死満塁から炭谷に右前へのサヨナラ打を決められ、白星がするりとこぼれ落ちた。
藤川監督は9回の継投について「湯浅から、もちろん岩崎にとは考えていましたが、岩崎も登板(間隔)が空いていたので、そういった意味で湯浅からですけど」と説明した。岩崎は5月30日広島戦(マツダスタジアム)以来のマウンド。状態を考慮しながら万全を期したが、裏目に出る形となってしまった。
前日10日は2点リードの8回に3番手桐敷が一挙4失点して逆転負け。8回以降のリードを守り切れなかったのは前夜が今季初めてだった。盤石なブルペンを誇ってきたが、ここに来て連日の逆転負け。「なんとかね、ブルペンのところをかみ合わせていくと。それに尽きますね」。今季17ホールドを挙げチームを支えてきた石井は、6日の試合中に側頭部に打球を受けて現在は自宅静養中。チーム一丸で乗り越えるしかない。
「なかなか、1つの試練が来たのかなと。みんなでまた明日から立ち上がってやろうかな思います」
指揮官は試合後、言葉に力を込めた。勝利したリーグ2位のDeNAに2・5ゲーム差まで迫られたが、リーグ、交流戦ともに首位の座は変わらない。すぐにやり返す。【磯綾乃】