
2005年(平17)に始まったセ・パ交流戦は、今年で20回目を迎えた。
きっかけは04年の球界再編問題だった。近鉄とオリックスが球団統合する「球界再編騒動」を契機に、各球団の経営問題が表面化。1リーグ制移行へのもくろみや、選手会による球界初のストライキも起きる大混乱の中で、両リーグが歩み寄って実現した。
最初から大入り満員だった訳ではない。05年は、観客の実数発表初年度でもあった。6月10日、横浜スタジアムの横浜-オリックス戦。観客2260人という現実があった。ガラガラのスタンドを見た当時の横浜幹部は「プロじゃない。ファンに申し訳ない」と泣いた。
各球団は趣向を凝らし、巨人依存からの脱却を目指した。パ・リーグはメディア露出が増え、観客動員が増加した。セ、パが切磋琢磨(せっさたくま)することで実力や競争力も向上した。「実力のパ」「人気のセ」と言われていた中、日本シリーズでしか見られなかった名勝負が公式戦でも実現。シーズン序盤の風物詩として定着した。
試合数はスタート時は各チーム36試合だったが、07年に24試合、15年には18試合へと縮小された。試合数を維持したいパと、ポストシーズンの日程を確保したいセで意見が対立したこともあった。ここ10年間は18試合を維持しており、ファンのニーズにこたえながら、予備日などの試合日程を確保できる数字となっている。【鳥谷越直子】