
ドジャース佐々木朗希投手(23)が、右肩のインピンジメントで離脱となった現在の心境を語った。前日の13日(日本時間14日)に15日間のIL入り。投手陣に故障者が続出している状況で、「もちろん悔しいですし、チームもケガ人が多い中で僕も離脱してしまって申し訳ないなと。しっかりもらった時間で完治させて、パフォーマンスも上げて、戻れるように頑張りたい」と話した。
この日もフィールド上には現れず、当面は状態を確認しながらノースローでの調整となる。復帰までの見通しは不透明だが、「去年の日本でのシーズン中、1回離脱している時に似たような症状があって。その時の方が状態は悪かったんですけど、今回それが去年のシーズン中に完治しない中で、その名残まではいかないんですけど、そういう感じに近いものがある」と現状の感覚を明かした。
3日のブレーブス戦でメジャー初勝利を挙げたものの、肩の状態は悪化していた。「痛み自体は2登板前(ブレーブス戦)ぐらいからですけど、動きの悪さというか、しっくりこない感じはあった」。違和感を抱えながら、チームに貢献したい気持ちで登板を重ねたが、球速が大幅に低下。苦しい投球が続いた。「パフォーマンスがあれだと、逆に迷惑かかると思ったので、自分から申し出る形となりました」。痛みの原因など詳細はまだ判明していない。「これって確証はないので、これから根気よく向き合っていかないといけない」と冷静に受け止めた。
◆インピンジメントとは 「衝突」という意味で、投手の場合、肩関節の受け皿の周縁部にある「関節唇」と、肩内部の筋肉の「腱板(けんばん)」がぶつかって投球時に痛みを生じるケースが多い。プロ野球選手の治療も行う百武整形外科・スポーツクリニック(佐賀市)の光井康博副院長によると、投球の際は、正常でも必ず軽い衝突が起きており、肩関節が良い位置で回転していれば問題はないが、疲労などでバランスが崩れると痛みにつながるという。投球を重ねて肩の後ろが硬くなることが原因になることが多いといい「(米移籍で)ボールが変わり、中5日での登板になって、回復が追いついていない可能性がある」と指摘した。まずは投球を中断して回復を待つことになる。症状が改善しなければまれに手術に踏み切ることもあるが、関節の可動域が狭くなるなどのリスクを伴うため慎重な判断が必要という。