
<東都大学野球:青学大3-2亜大>◇第4週第2日◇11日◇ジャイアンツタウン
5連覇を狙う青学大が、勝つと22年春以来の優勝が決まる亜大に、待ったをかけた。
最高の舞台が待っていた。1年から、リリーフエースとして4連覇に貢献してきた鈴木泰成投手(3年=東海大菅生)が、大学初先発のマウンドに向かった。「初めての先発だったので、入りを大事に。それ以降は1イニング、1イニング全力で投げました」。初回から150キロを越える速球で、波に乗る亜大打線をねじ伏せた。変化球でカウントを取り、決め球にキレのある真っすぐで打たせて取った。9回を迎えても、150キロを記録するなど、球威は衰えず。6安打1失点で完投勝利。「一番はホッとしています。大事な場面を任せていただいたので、それに結果で応えることができたのはうれしいです」。試合が終わり、ようやく緊張から解放され、笑みがこぼれた。
崖っぷちの戦いに、チームの信頼を背負いマウンドに立った。安藤寧則監督(47)は「この時を待っていた、というのもある。今まで先発の準備はさせていた」と、もう1試合も負けられない戦いに、勝負をかけた。9回、1点差に詰め寄られたが「代えるつもりは全くありませんでした。(今日は鈴木と)心中で」と、絶大な信頼を口にした。
鈴木の好投に、打線も応えた。1-1で迎えた8回、2死一、二塁。野手選択の間に二塁走者の大神浩郎外野手(1年=福岡大大濠)が三塁へ滑り込みセーフに。2死満塁で小田康一郎内野手(4年=中京)の右前適時打で2者生還で勝ち越しに成功した。小田は「みんながつないでくれたことに感動して。ここで打つしかないと思った」と、一塁上で感極まり、涙がほおをつたった。「自分が打ったうれしさというよりも、ここまで回してくれた団結力に感動しました」。チーム一丸、1球に食らい付き、勝利につなげた。
戦国東都の名にふさわしく優勝争いは両者1歩も譲らず、12日に行われる第3戦にもつれた。安藤監督は「この一瞬、この1球にかけて、全員でやるぞ」と、選手たちに声をかけた。
12日は亜大が青学大に勝利し、勝ち点を挙げると、優勝が決まる。青学大が勝利し勝ち点を挙げると、優勝争いは第5週に持ち越される。