
<東都大学野球:青学大2-1亜大>◇第4週最終日◇12日◇ジャイアンツタウン
青学大が、優勝に王手をかけた亜大に勝利し勝ち点を4に伸ばし、単独首位に立った。
エースのプライドが、中西聖輝投手(4年=智弁和歌山)を奮い立たせた。第1戦で先発したが、6回2/3 6安打2失点で敗戦。「情けない試合をしてしまった…」。下を向く中西を奮起させたのは、第2戦で先発した鈴木泰成投手(3年=東海大菅生)の投球だった。
負けると亜大が優勝、という大一番で好投。完投勝利で3戦目につないだ。「次は僕がやるしかない。エースとして勝ち点を取って優勝する。その気持ちがいい結果につながりました」。低めに制球された真っすぐと多彩な変化球で緩急をつけ、奪った三振は15。アウトを取るたび「ウォー!」「ヨッシャー」と、雄たけびをあげながら、1球1球、気持ちのこもった投球で3安打1失点。5連覇へ望みをつないだ。
エースの好投に、女房役の渡部海捕手(3年=智弁和歌山)が3回、左越えソロ本塁打で援護。捕手としても、ピンチにはマウンドに行き「こんなんじゃダメですよ」と、中西を鼓舞し続け、好リードで後押しした。
負けると連覇が途絶える、土壇場の勝負をものにした。「プレッシャーは特に。亜大は強い相手だったので、ワクワクした。どうやって亜大を倒すか。それしか考えていませんでした」と渡部が言えば、中西も「今日の試合に勝つことだけに集中していました」と、胸を張る。心身ともに強い。大学王者の底力を見せつけた。
優勝争いは第5週に持ち越され、青学大が国学院大戦で勝ち点を挙げると優勝が決まる。亜大は自力優勝が消え、日大戦で勝ち点を取り、青学大が勝ち点を落とし、勝ち点4で並んだ場合、勝率の差で亜大が優勝する。