
<日本ハム2-1ロッテ>◇26日◇エスコンフィールド
日本ハム野村佑希内野手(24)が、「真の4番」として初本塁打を放った。1点を追う7回、出場18試合ぶりの左越え同点4号ソロ。新庄監督が継続して4番でいくと明言した13日西武戦以降初の1発で、本拠地連敗を5で止める勝利に貢献した。開幕23試合連続犠飛ゼロの球団記録を更新した打線は、フランミル・レイエス外野手(29)の決勝弾を含め、12球団トップの25本塁打。パンチある打線が再び目を覚ました。
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子どもたちの夢を乗せた1発だった。7回先頭で迎えた第3打席。野村は好投を続けていたロッテ小島の147キロ直球を、かち上げた。「感触は良かったんですけど、上がりすぎてちょっと上に打球スピードが出てる感があったので。どうかなとは思いながら見てました」。打球はじっくり7・2秒かけて左翼ブルペンに吸い込まれた。
ベンチに戻ると、にこにこしたレイエスに、思いっきり抱き締められた。「『この打席は俺は大丈夫だ』みたいな感じで言ってた。同点にしてくれて…なんか言ってましたね。英語だったのでよく分からなかったですけど。たぶん見え方的にいいものがあったんだと思います」。この回2死から、最強助っ人も出場15試合ぶりの3号ソロで続いた。
前日まで15打席連続無安打も「真の4番」は動じなかった。「不安はありましたけど、相手があること。いいプレーをされたりした部分もあったので、変えることなく。あとは追い込まれてからのバッティングは工夫していこうと思っていた」。チームは開幕23試合犠打、犠飛ゼロも「いいんじゃないですか、ホームランをいっぱい打てば。(自身は)4月で4本っていいペースじゃないですか」。「海賊打線」の4番は、ちっちゃいことは気にしない。
でも、ちっちゃい子どもたちは大事にする。ゴールデンウイーク初戦とあり、ヒーローインタビューを子どもたちが担当。ミスをしたときの気持ちを「すごく暗い気持ちになります」と答えた野村は、続く「大事な場面で打った時、どんな気持ちになりますか」の質問に「すごく明るい気持ちになります」とさわやかに応え、喜ばせた。負けていたら実現しなかった企画。「良かったです。それを楽しみに来てくれていると思うので」。まだまだ打ちまくり、子どもたちのスマイルを量産する。【永野高輔】