
<巨人2-0中日>◇22日◇東京ドーム
巨人大城卓三捕手(32)が連夜の一撃で中日を沈めた。0-0の8回1死、中日マルテの156キロを一閃(いっせん)。打った瞬間にスタンドインと分かる2試合連発の2号決勝2ランを右翼席に放り込んだ。開幕から無失点を続ける先発山崎伊織投手(26)は5回5安打も粘り倒して無失点。07年高橋尚成の開幕から28イニング連続無失点の球団記録に並んだ。投打がかみあって、チームは2連勝。25日からの阪神3連戦(甲子園)に弾みをつけた。
◇ ◇ ◇
大城卓がチラ見した。8回1死一塁。中日マルテのカウント2-2からの5球目、ど真ん中156キロ直球を捉えた。確信弾は前日22日に続く2号決勝2ラン。感触が残るバットを手放し一塁へと歩を進めつつ「打った瞬間、いったと思ってベンチ見てたんですけど、みんな打球を追ってて。だから僕1人で喜んでました…」と、ちょっぴり寂しかった。一塁ベース手前で右手を高々と掲げ、大声援に応えた。
国内FA権を取得した今オフは権利を行使せず残留を決断した。「このチームで日本一になりたい」。思いは1つだけだった。強烈なライバルも出現した。ソフトバンクから甲斐が加入。岸田、小林らも含めた正捕手争いは12球団屈指といえる。開幕からここまで捕手でのスタメンはない。1月の自主トレ中は「そこは勝負なんで。当然、負けたくないですし、それは全員同じ気持ちだと思いますよ。自分は自分のできることをやるだけですから」と“真っ向勝負”を誓った。
でも、ライバルは同時に心強い仲間にもなった。直近は「5番一塁」でのスタメンが続き「チャンスで回ってくる確率が高いと思う。自分の後ろにもいいバッターが続くので、つなぐ意識でやっていきたい」。この2連戦は6番に入った甲斐へとつなぐ意識を強調した。「ハイタッチの時は盛り上がってくれてた」と大城卓。甲斐も岸田も目いっぱい、出迎えてくれた。【為田聡史】