
<高校野球春季東京大会:早実12-0大東大一>◇20日◇4回戦◇スリーボンドスタジアム八王子
センバツ出場の早実(東京)が、15安打12得点の7回コールドで8強入りを決めた。
1回2死二塁から、主将で4番の中村心大外野手(3年)の中越え二塁適時打で1点先制すると、2回には、山中晴翔捕手(3年)の左越えソロ本塁打などで2点を追加。その後も得点を重ね、大東大一を突き放し、コールドを決めた。投げては、この春季大会から背番号1をつける小俣颯汰投手(2年)が力強い真っすぐを軸に打たせてとる投球で6回を投げ1安打無失点に抑え、後ろにつなげた。
背番号剥奪の悔しさが、中村を奮起させた。センバツでは主将でエースで4番を務めたが、春の大会では「小俣もいいもの持ってると期待している。1番をつけさせて、中村さんに負けたくない、という気持ちをもってやって欲しい」と、和泉実監督。夏へ向け、課題の投手力強化のため、経験を積ませる意味もあっての背番号だが、中村にとっては受け止め方が違う。「結局、1番を外れるということは、実力や、自分の責任感のなさが事実としてある。もう1度、背番号を取り返すために自分のやるべきことをやるだけ」と、勝利にも悔しさをにじませた。
センバツ後も、二刀流として投手、野手の練習を重ね、出番を待つ。「今日は1打席目でその後の打席でもっと打って4番の働きをしなくては」と、気を引き締める。「春、しっかり勝ち切って、関東大会で関東のレベルの高いチームと対戦するのが目標のひとつ。そこに向かって、やるべきことをしっかりやっていきます」。勝負の夏まで、気を緩めずに戦っていく。