
<明治安田J2:鳥栖2-2山口>◇第10節◇19日◇駅スタ
2連勝中だったサガン鳥栖が、執念ドローで3試合連続無敗とした。ホームでの連勝は3で止まったが、通算4勝2分け4敗の勝ち点14で暫定7位に浮上。開幕3連敗の後は、7試合で4勝2分け1敗。1年でJ1復帰へ、ペースは確実に上がってきた。
最終盤の見せ場は、1点を追う後半48分。けがから5試合ぶりに復帰のMF堺屋佳介(19)が、MF日野の左クロスに右外から飛び込み、ヘッドでの今季初得点が値千金の同点ゴールになった。
鳥栖U-18(ユース)出身でプロ2年目。1年目の昨季は、J1で16試合1得点の実績を残した。この日は同じく後半途中から入ったMF日野との連係を実らせた。小菊昭雄監督(49)の采配も当たった。
堺屋は「あそこの時間帯(後半48分)で、点を決められたのはよかったが、もう1点決められたはず。練習でも、突き詰めてやっていきたい」と、喜びはなかった。
前半は鳥栖が試合を掌握。J2水戸から新加入のMF新井晴樹(27)が同9分、得意のカットインから右足で新天地初ゴール。
1点リードで迎えた後半は、立ち上がり2失点で逆転を許した。敗色濃厚で迎えた最終盤の同点劇だった。
小菊監督は「前半はほぼパーフェクトな試合ができたと思うが、後半入りの10、15分は非常に大きな課題がある。ただ、また30分、ほぼ私たちの試合になった。もったいない試合だった」と、わずか5分間での2失点を課題とした。
ただ、高校3年のFW新川志音(17)が出場9試合目で初先発。豪快なシュートがクロスバーに当たるなど、モノが違う潜在能力を見せつけた。
開幕前のけがで長期離脱していたプロ1年目のFW鈴木大馳(18)も、後半途中から待望の今季初出場。昨季は高校3年ながら、2種登録でJ1初得点を記録している。
この日途中出場したDF北島郁哉(19)を含め、堺屋、新川、鈴木も下部組織が生んだ宝。主力選手を引き抜かれても、下部組織を含めたクラブ力で激戦のJ2を戦い抜く。