
<明治安田J2:長崎0-2鳥栖>◇第9節◇13日◇ピースタ
サガン鳥栖FW山田寛人(25)が、移籍後初ゴールを含む1試合2発で勝利の立役者になった。C大阪から今季、完全移籍で加入。出場6試合目で待望の初ゴールが生まれた。
山田の得点は、J2仙台に在籍した23年4月8日甲府戦以来、2年ぶり。
1試合2発は、J1C大阪時代の22年4月2日川崎F戦以来3年ぶり。いずれも4月のアウェーで決めたものだ。
「全然、点を取れてなかったんで本当にうれしい。1点取った後、正直もう1点、もう2点、決められる自信はあった」
前半31分の先制点は、ハイプレスをかけたMF新井とFWスリヴカの連係から、最後は山田が右足で蹴り込んだ。後半28分の追加点は、MF桜井のスルーパスに前線から抜けだした山田が左足で決めた。
特有のなめらかなボールタッチで、開幕からホーム4連勝中だった攻撃力のあるV・ファーレン長崎を、今季初めて無得点に封じ込め、初黒星をつけた。
鳥栖にとれば、今季アウェー初勝利。開幕3連敗発進も、ここ5試合は4勝1敗と急上昇し、通算4勝1分け4敗で五分に戻した。勝ち点13で一時19位に低迷したものの、8位まで浮上した。
故障者が多い中、山田は自身の役割を感じている。
「もう1度、鳥栖をJ1に復帰させたい。自分が鳥栖のエースであることを証明したい。本当に長い時間、点が取れなかった。ここから自分の力を、もっと証明していきたい。鳥栖がこんなもんじゃないと、もっと順位を上げたい」
昨季まで山田とC大阪で師弟関係を結んでいた小菊昭雄監督(49)は言う。
「寛人は元々、J2でも得点王を狙える選手だと思っている。ただ、コンディション不良やけがもあって、なかなか本調子にならなかったが、ようやくけがもいえた。チームメートやサポーター全員が待っていたゴールで、しかも2点取れたことはチームとしても大きかった。これからの爆発を期待したい」
万能ストライカーとして期待されるプロ8年目。その能力を、鳥栖で完全開花させたい。
◆山田寛人(やまだ・ひろと)2000年(平12)3月7日、名古屋市生まれ。C大阪ユース(U-18)から18年にプロ昇格。19年途中に当時J2琉球、20年は当時J1仙台に育成型期限付き移籍。21、22年はC大阪、23年はJ2仙台に再び期限付き移籍し、24年にC大阪復帰、25年J2鳥栖へ完全移籍。J1通算67試合6得点、J2通算50試合6得点、J3通算39試合10得点。183センチ、76キロ。