
三度目の正直で、3つの「初」ものを狙う。阪神才木浩人投手(26)が、人生「初」の地で「今季初勝利」をつかむ。
15日ヤクルト戦(松山)で先発予定。今季ここまで2試合に登板し、0勝2敗。6連戦初戦の火曜日を任されながら、白星をつかめていない。前回登板の8日は、同じくヤクルト相手に8回5安打6奪三振3四球1失点。黒星こそついたが、内容のいい投球が続いている。
「(8日の内容は)問題ないかなと思うので、特に変えずに。前回と同じように8回、9回を投げられるように頑張りたい」。甲子園での指名練習を終え、開口一番、「いつも通り頑張ります」。今季3戦目の登板へ覚悟を決めたような、淡々とした表情で語った。
昨季も3試合目の先発マウンドで初勝利を挙げ、そこからチームトップの13勝をマークした。今季もいまだ自身に勝ちがついていない状況だが、焦りはない。「それよりやっぱり自分が長いイニング投げられているかどうか。自分に勝ちがつくよりは、チームに勝ちがつくのが一番大事」。自身の勝利数は二の次とはいえ「初完投」も視野に入れる。
公式戦では昨年6月25日中日戦(倉敷)以来、プロ2度目となる地方球場での登板。松山に行ったことは「ないですね」と人生で初めて足を踏み入れる場所で、先発マウンドに上がる。「自分は『ここのマウンドが』とかはないので、問題ない。細かい修正は試合の中ですればいい」。頼もしい男が、前週2連敗のヤクルトに挑む。【塚本光】