
メッツ千賀滉大投手(32)が13日(日本時間14日)、敵地アスレチックス戦に先発し、7回4安打無失点の快投で、今季2勝目(1敗)を挙げた。球数79球の省エネ投球でまとめ、防御率は1・06となった。
序盤から走者を背負う状況が続いても、マウンド上の千賀は終始、落ち着き払っていた。千賀といえば、快速球と「お化けフォーク」だが、この日は計7種類の球種をちりばめた。最速97・6マイル(約157・1キロ)の速球を主体に、高速カットボールでカウントを整え、シンカーで2併殺を奪うなど、幅広い配球でゼロを並べた。
試合後、地元テレビ局のインタビューには、「単純に前に飛ばされただけ。ラッキーが強い1日だった」と謙虚に答えた。その一方で、「最遅」のスローカーブとの球速差は最大約48キロ。速いカウントから積極的に仕掛けるア軍打線の打ち気をそぐように、バットの芯を外した。
相次ぐ故障で、昨季は1試合の登板に終わっただけに、交代期にも異論はなかった。「この2年間で6回を投げることがなかなかできなかったので、7回は最後のイニングだと思っていました」。多球種を織り交ぜるスタイルも、長丁場のシーズンだけでなく、ポストシーズンを見据えるからにほかならない。
千賀が年間を通してローテーションを守れば、地区首位を快走するメ軍の勢いも加速する。「長いイニングを投げて体が順応してくれたら、今後もケガなく乗っていけるんじゃないかなと思います」。メジャー3年目。順調なスタートにも、千賀は口元を引き締めることを忘れなかった。