
<ナショナルズ6-4ドジャース>◇7日(日本時間8日)◇ナショナルズパーク
【ワシントン7日(日本時間8日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(30)が大統領と面会後、即“御礼”弾を放った。ナショナルズ戦に「1番DH」で出場し、4打数3安打2打点。2回に右越えの4号2ランをマークした。自身2度目のサイクル安打は逃したが、第1打席で安打、第3打席で三塁打を放ち、3打席連続で快音を響かせた。試合前には前年のワールドシリーズ覇者としてホワイトハウスを表敬訪問。ドナルド・トランプ米大統領(78)の称賛を受け、がっちり握手した。
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感謝の気持ちをかみしめる大谷が、野球ファンを魅了するアーチをかけた。2回2死一塁、左腕ゴアの速球を捉えた。敵地のはずが、観客は大歓声。拍手喝采で迎えられた。試合には敗れたが、「もう1つのところで惜しい、逆に言えば簡単に終わる試合がないっていうのはすごくいいこと」と前向き。ワシントンの歓迎ムードに後押しされるかのように躍動した。
大歓迎はファンだけではない。大国のトップから「まるでムービースターのようだ」と熱烈な称賛を受けた。午前中にチームとともにホワイトハウスを表敬訪問。約15分に及ぶトランプ大統領の祝福スピーチのうち、大谷への絶賛は約2分半も。前人未到となる50本塁打&50盗塁の「50-50」達成を「ただただ素晴らしい」とたたえられ、大統領から歩み寄って笑顔で握手。「印象は思ったよりもかなり背が高かった」とほほ笑むと「僕は日本から来て、ここでプレーさせてもらってるので。本当に1日1日、この国に感謝してますし、国のトップの方に会えたことがまず光栄かなと思います」と敬意を表した。
野球発祥の地アメリカ。「元をたどれば野球っていう競技自体が生まれて、僕の人生の中でも多くを占めてる訳なので、そこに対する感謝ですかね」とリスペクトする。野球少年の頃から夢見たワールドシリーズ制覇を達成し、大統領邸に招かれ、執務室に入って記念撮影を行うなど最大級の祝福を受けた。「本当に歴史を感じるというか、中もきれいですし、執務室も本当に映像でしか見たことなかったですけど、入れて光栄だったなと思います」と実感を込めた。
試合では1打席目の安打から本塁打、三塁打で一気にサイクル安打にリーチをかけ、スタジアムの注目は大谷一色に。4打席目は見逃し三振、5打席目は四球で自身2度目の快挙はならなかったが「4打席目は、最後は振りに行かなきゃいけない球だったかなと思いますけど、基本的にやることはあんまり変わらないかなと。最後の打席もしっかり、いい打席だった」。チームプレーを意識するあたりが、大谷らしかった。
▼大谷が開幕から12試合連続出塁。開幕からの連続試合出塁では、エンゼルス時代の23年に自身がマークした日本人最長の13試合にあと1試合とした。サイクル安打に王手をかけた打席を迎えたのは、昨年9月19日マーリンズ戦以来で通算15試合目。
▽ドジャース・ロバーツ監督 (大谷に)「今夜は明らかに集中していた。最後の打席もサイクルヒットを狙って無理に振りにいくのではなく、フィネガン相手に四球を勝ち取ってつないだ。その姿勢はチームプレーヤーであることを物語っている」