
<とっておきメモ>
<巨人0-1阪神>◇6日◇東京ドーム
モンちゃん、おめでとう! 阪神門別啓人投手(20)が念願のプロ初勝利をつかんだ。ピンチを防ぎながら、6回途中5安打無失点の粘投。「1-0」の完封リレーで、初白星を手にした。高卒3年目で先発登板は通算5試合目。家族が見守る前で、念願の1勝となった。チームは今季初の「伝統の一戦」で3連戦を飾り、昨年5月27日以来の単独首位に躍り出た。
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1年を経て、門別はたくましくなった。昨季初先発となった5月3日巨人戦は、この日と同じ東京ドームでの登板。しかし坂本の先制打から始まったメッタ打ちで、3回6安打6失点(自責点4)と大崩れだった。試合後、ホテルでは梅野と投球データを見返すなど反省会。「情けないな…」。一瞬浮かんだ感情は、すぐ心にしまった。
「初めてあんなに打ち込まれたので、逆に割り切れたというか。その日の夜からちゃんと前を向けた」
2軍からの再出発。当初は配球面などに目を向けたが、先輩たちからの言葉で課題が明確になった。「配球も絶対必要。けど、それは真っすぐが通用しなくなって考えることだと言われた」。先発経験のある岩貞からは「怖さを知ったな」とも言われた。「逆に怖さを恐れず、真っすぐでどんどん行けと言われている気がした」。再び直球に意識を向ける日々が始まった。
体の開きや力の加え方など、課題に1つずつ着手。今春は力感なく強いボールを投げる「ギャップ」も意識した。技術と経験、両方から来る自信が、初の開幕ローテ入りにつながった。
「去年の経験は、すごく生きていると思います」
この日は5回2死一、二塁の場面で、あの日打たれ坂本が代打で登場。141キロ直球で左飛に打ち取り、リベンジを果たした。壁を乗り越え、大きくなってつかんだ白星だ。【阪神担当=波部俊之介】