
<高校野球・U18日本代表候補選手強化合宿>◇5日◇奈良県内
3日間の合宿が終了した。最終日はフリー打撃など軽い練習をこなし、ミーティングしてから解散となった。
9月には連覇を狙うU18W杯(沖縄)がある。2年目の小倉全由監督(67=日大三元監督)は「いい合宿だった。これから夏にかけて3年生は伸びるので楽しみにしている」と総括。本番では足やバント、守備を重視する方針をあらためて示した。一問一答は以下の通り。
-最終日
「最後なんで今日はもうケガなく、気を抜かず引き締めていこうと。ケガだけはないようにしようと朝にお願いしました。3日間、初日から比べるとみんなの表情がよくなっているし、やっぱりいい練習したなと選手が感じてくれていると、自分は見ています」
-描く日本の野球は
「やはり打ってもらいたいけど、まずは走れたらいいなと思っている。自分は三高(日大三)で長くやってきて強打、強打みたいに言われていたけどそれだけでは勝てない。それだけのレベルのチームが集まるので。盗塁もやらないといけないし、バントもスクイズも必要。日本の野球をやらないといけない」
-昨年の経験を踏まえて
「そうですね。去年を見ていても、ただバット(打撃)だけに頼っていたらなかなか点は取れない。投手は直球、変化球を磨いてもらいたいし、打者は打つだけじゃなくてバントも。4番打者でも送りバント、スクイズができるように練習してきてくれ、とみんなにお願いしたい。あとはやっぱり守り切らないといけないので、守備をしっかり。意識の高い練習を、帰ってからやってほしいです」
-3年生の伸びしろ
「これから伸びてくるチームが一番いいチーム。この子たちはこの3日間でライバル校の選手と一緒に練習して、もっとやらないといけないという気持ちになっていると思う。3年生は夏に向かって伸びる率が高いが、それ以上に今回の合宿の経験が大きく伸ばしてくれると思っています」
-トップチームの頑張りはアンダーにも
「そうですね。日の丸を背負っているという気持ちは選手を大きくしてくれる。大会に入ってから『あ、日の丸を背負っているんだ』ではなくて、おとといからそういう気持ちでやってくれと言っていたので、それはみんな分かってくれていると思う。日の丸を背負うんだという気持ちでもっと大きくなって、また夏に見せてもらいたいですね」
-3日間で変化も
「2泊3日で、どうなるのかなと思ったけど、初日より2日目、2日目より今日と選手たちの顔が変わってきますね。いいなあ、と。いい合宿でした」
-昨年の18人は合宿以外からもたくさんいた。期待は
「日本だとやっぱり甲子園が一番の目標なんだけど、その先のW杯に向けて、という気持ちで練習してほしい。難しいですけどね。でもそれくらい台湾は…。去年台湾に行かせてもらって、また指導者の講習にも行かせてもらったけど台湾の選手は国の代表、そしてプロ野球と、日本の選手が考えている以上にプロを意識している。国内の大会よりも、というか。その意識の高さはすごいなと思った。日本は甲子園があるからほかの国と違う素晴らしい野球ができるんですけどね。甲子園を目指す、次のW杯を目指す、これを日本中で、9地区の指導者もそれくらの気持ちでいてくれたら、と思います」
-目についた選手
「センバツでも見せてもらったし、目についたから来てもらった。あとはセンバツに出ていない選手は初めてここで見て、やっぱりいい選手だなと。みんないいものを持っていますよね。未来富山の江藤くんや高蔵寺の芹沢くん、こんなにいいボール投げるんだと思いました」
-20人は難しい
「大変ですよ。これからまだ、地区大会とかを見て、甲子園を見ての20人なので。今この40人から20人選ぶのだって難しいんだから」
-選考の軸にしたいこと
「やっぱり足があって、守れる。そこが1つ。その中でも打ってくれないといけないから。そうすると何でもできないといけなくなるけど、やっぱり守れることですね。とくに内野の守備。それと150キロを投げてくる外国の投手にどれだけ打てる打者かを見ていかないと。いい選手だからいつも4の4打てるわけでもないし、そこが一番難しいですよね」