
<巨人1-7阪神>◇4日◇東京ドーム
巨人戸郷翔征投手が、25歳の誕生日を自身の今季初勝利で飾れなかった。「伝統の一戦」の今季初戦となった阪神戦に先発し、3回7安打3失点でKOされた。開幕投手を務めた3月28日のヤクルト戦(東京ドーム)は、チームは延長10回サヨナラ勝ちしたものの、戸郷は5回4失点(自責2)で降板。2試合連続で本来のピッチングを披露することはできなかった。
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戸郷がいら立ちを隠せなかった。登板最終回の3回。2死を奪ってから大山、坂本に適時打を浴び2点を失った。3回を投げ終えてベンチに戻ると、阿部監督から肩をたたかれてねぎらわれたが、ぶぜんとした表情のまま。3回以内のノックアウトは、2回2/3で降板した22年6月26日ヤクルト戦(神宮)以来、約3年ぶり。帽子をたたきつけ、ダッグアウトに姿を消した。
立ち上がりから異変を感じながら投げた。先頭の近本、中野に連打を浴び、いきなりのピンチを招いた。その後1死二、三塁とし森下の中犠飛で先制点を献上。首をかしげながらマウンドを降りた。続く2回は無失点で切り抜けたものの、さえない表情を浮かべながらベンチで杉内投手チーフコーチと話し込んだ。
苦しいシーズンの船出となっている。前回登板のヤクルトとの開幕戦は5回4失点(自責2)に沈み「仕事ができなかった」と責任を痛感。3日後の同31日にジャイアンツ球場で行われた投手練習の合間には約15分間、田中将と話し込んだ。「年間やっていけばそういうピンチになって考えがうまくいかない時もあると思うけど、っていう話をされました。それへの対処法だったりを将大さんなりに考えていることを言ってくれたので、すごい僕としては助かりました」と日米通算198勝のレジェンドの助言に感謝し、この日の登板に備えた。
自身2度目のバースデー登板は勝利で飾ることができなかった。「25歳になって1発目の試合ですし、順調にいかないことも年々多くなっていきますけど、その誕生日ぐらいはいいピッチングを自分にいいプレゼントだと思っていければ一番ですし。それ以上にチームに前回助けてもらっているのでいいお返しができたら」。エースの復調が待たれる。【水谷京裕】