
WEリーグのセレッソ大阪ヤンマーレディースは2日、FW玉桜(たまざくら)ことの(27)が3月末をもって現役を引退したと発表した。
2010年にチームが発足した際の1期生16人のメンバーの1人。当時中学生で入団した玉桜は、なでしこリーグ昇格など約16年にわたってチームに貢献してきた。この引退で1期生全員が退団したことになる。
奈良県生まれの玉桜は、152センチ、40キロのアタッカーで、18年にはU-20日本女子代表に選ばれたものの、膝の大けがでU-20ワールドカップ(W杯)代表入りを逃した。
その後もけがに悩まされたが、不屈の闘志ではい上がってきた。今季のWEリーグには3度ベンチ入りも出場機会がなく、最後の公式戦出場は、昨年11月6日のWEリーグ杯INAC神戸戦になった。
リーグ戦は今季残り6試合あるが、20年に入社したヤンマーホールディングスの社業に専念するため、年度末での引退を決意したという。玉桜はプロ契約を結ばないアマチュア選手だったため、社業とサッカーをここまで両立してきた。
本人の意向で引退のコメントなどは発表せず、引退セレモニーも実施しないという。
「セレッソ」とはスペイン語で「桜」を意味し、その漢字の入った玉桜は、C大阪ヤンマーのシンボル的な人気選手だった。チームとしても大きな転換期を迎えたことになる。
◆玉桜(たまざくら)ことの 1998年(平10)2月17日、奈良県生まれ。香芝市三和スポーツ少年団を経て、10年C大阪堺レディースに入団。18年にU-20日本女子代表に選出されるも、膝の大けがでU-20W杯出場はならなかった。通算成績はなでしこリーグ73試合17得点、WEリーグ7試合無得点、WEリーグ杯4試合無得点。152センチ、40キロ。