
<センバツ高校野球:智弁和歌山5-0浦和実>◇28日◇準決勝
智弁和歌山が「先手必勝」で18年以来7年ぶり5度目の決勝進出を果たした。この日も初回だった。1死二、三塁から4番福元聖矢外野手(3年)が浦和実の変則左腕・石戸の内寄り高め直球を捉え、鋭い打球を右前に運んだ。「とにかく先制点を取って自分たちのリズムに持っていくことが今日の試合のテーマでした」。これで初戦から4試合連続で初回に先制。18回連続無失点だった左腕を得意の初回で攻略してみせた。
変則対策が功を奏した。映像で分析し、石戸のフォームに惑わされず、リリースポイントに目付けをして自分の間合いで勝負することを心がけた。福元は「『真っすぐが速く感じる』っていう記事を見たんですけど、自分はあんまり思わなかった」。前日27日には中谷仁監督(45)らが石戸のフォームをまねて打撃投手を務め「似てました。(効果は)ありました」と笑顔で感謝した。1番藤田一波外野手(3年)とともに4安打をマークし、12安打5得点の快勝へと導いた。
決勝は横浜との名門対決となった。優勝した94年の2回戦以来の対戦に指揮官は「ぶつかっていきたい。どれだけ食い下がれるか。子どもたちがどんな結果をみせてくれるか、本当に楽しみ」とニヤリ。4試合で計46安打27得点の「強打の智弁和歌山」が、夏を含めた令和初の複数回全国制覇に挑む。【古財稜明】
◆智弁和歌山対横浜 甲子園では過去1度。94年春に対戦し、智弁和歌山が10-2で勝った。笠木伸二、松野真人のリレーで斉藤宜之、紀田彰一、多村仁の横浜クリーンアップを3安打に抑えた。勢いに乗った智弁和歌山はこの大会で春夏を通じ初優勝した。
◆智弁和歌山3完封 智弁和歌山は千葉黎明戦(6-0)、広島商戦(7-0)に次いで今大会チーム3完封。同校が1大会でチーム3完封は春夏を通じて初。これまでは96年春に高塚信幸(元近鉄)が1人で2完封したのが最多だった。