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【日本代表】森保監督、未来を見いだした試合があった アジア卒業で3、4バック併用へ/連載2


2024年6月、日本代表は2026年FIFAワールドカップ北中米大会への出場を世界最速で決定しました。森保一監督は、攻撃的3バックの戦術を用いてアジア予選を圧倒し史上最多の得点を記録しましたが、これは「アジアプラン」に過ぎないとし、より強豪との対戦を見据えて4バックの併用も視野に入れています。森保監督は、世界での戦いではボールの保持時間が短くなるため、攻撃の枚数を減らす状況もあると述べています。先のシリア戦では、188センチの伊藤を投入し高身長のDF4人を起用、守備力の高さを証明しました。また、W杯優勝を目指すためには新戦力の発掘も不可欠であり、日本協会も若手選手を招集候補に入れています。

シリア戦を終えて会見で笑顔を見せた森保一監督=2024年6月11日

世界最速で2026年FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会への出場を決めた日本代表が、次に打つ手は-。連載「通過点」の(中)編は「あそこに未来がある」と、森保一監督(56)が見た景色に迫る。

   ◇   ◇   ◇

今回の最終予選で脚光を浴びたのは攻撃的3バックだった。既に最終予選進出を決めて消化試合となっていた昨年6月、W杯2次予選の敵地ミャンマー戦。センターバック(CB)に伊藤、谷口、橋岡を並べ、ウイングバック(WB)に中村と菅原を配置。5-0の大勝で手応えをつかんだ。

以後、森保監督は最終予選の全7試合で3バックを採用。両WBに三笘、堂安らを配し、攻撃の枚数を増やして日本史上最多の7戦24得点2失点。ところが、指揮官にとっては「アジアプラン」に過ぎなかった。

バーレーン戦の前日、基本的スタンスを説明した。

「アジアではボールを握る時間が多くなる。世界での戦い、より強豪と戦う時には、我々がボールを保持できる時間が短くなるという戦いの違いが出てくる」

日本が強くなり、どの国も圧倒することができれば「世界もアジアもない」。そんな理想はあれど、現実は甘くない。まだ「ワンチャン」に懸けて格上に挑む中で攻撃の枚数を1枚、減らす場面も当然出てくる。

その中で森保監督が希望を見いだした試合がある。

「あそこに未来がある」

進撃の発端となったミャンマー戦の5日後、シリア戦。3バックで入り、後半途中に188センチのDF伊藤を投入した。190センチの町田、188センチの板倉、187センチの冨安と4枚が並び立つ。全員がCBの守備力を持ち、高さも日本人離れ。世界クラスのアタッカーに対して、引いて守って5枚で固めることなく4枚でも対応できる顔ぶれだった。

アジアを卒業した今、その道も模索する。関係者によると、森保監督がW杯優勝へ描くのは3バックと、守備面を強化した4バックの併用だ。18年と22年のW杯は4枚の両サイドバックに長友、酒井宏が君臨したが、ともに16強。まだ見ぬ景色の先、ベスト8以上には「モンスター」(森保監督)が住む。本番まで1年3カ月。世界を止める陣容が必要になる。【佐藤成】

○…世界一へ新戦力の発掘も不可欠だ。W杯出場を決めたバーレーン戦の先発11人中9人が前回大会の経験者。新たな血を入れるため日本協会は、競争を促す最終予選のラスト2試合(6月)に向け、ドイツ1部マインツで全試合に出場しているMF佐野海舟や、同シュツットガルトの187センチDFチェイス・アンリ、パリ五輪で活躍したGK小久保玲央ブライアンらを招集候補に。森保監督も「W杯で(決勝まで)8試合を勝っていくために選手層を厚くしたい」と考えている。

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