
<センバツ高校野球:智弁和歌山6-0千葉黎明>◇21日◇1回戦
千葉黎明が目指した“甲子園1勝”に届かなかった。先発の飯高聖也投手(2年)は「初回、先頭にセーフティーバントを決められペースが乱れた」。初球から揺さぶられ、制球を乱して2回を5安打3失点。「自分の悪いところが出てしまった」。昨秋は低めの変化球で空振りやファウルを取っていたが、智弁和歌山打線には見極められ、少し浮いた球を捉えられた。「悔しいです…」。試合後は、涙をこぼした。
試合前、中野大地監督(38)が「今まで通りに入れるか。前半が大事」と話していたが、その言葉通り、初回の3失点で試合の流れをつかめず「ちょっとゲームを重くしてしまったかなと思います」と、振り返った。
2回以降は守備陣が奮起。堅守で再三ピンチを切り抜けた。終盤は攻撃でも一塁へヘッドスライディングをするなど、果敢に挑んだ。中野監督も「最後まで粘り強く戦っていました」と、評価。新チームから取り組んできた、最後まで走りきる「あきらめの悪い野球」を大舞台で披露した。
この試合が、次へのステップになる。飯高は「今日の収穫は、負けてたくさんの課題ができたこと」。創部102年目で甲子園初出場。主将の山本大我内野手(3年)は「歴史を変えられた。夏は初勝利します」と、前を向く。ひとつずつ階段をのぼり、次は必ず甲子園で校歌を歌う。【保坂淑子】