
<プレシーズンゲーム:阪神3-0ドジャース>◇16日◇東京ドーム
ドジャース大谷翔平投手(30)が、東京開催のメジャー開幕戦へ最終調整を終えた。16日、阪神とのプレシーズンゲームに「1番DH」で出場し、2打席で2打数無安打。阪神先発の才木との再戦で豪打を封じられた。試合前には、コンディショニング担当のスミスコーチとパワー解禁? の新ポーズを披露。恒例の儀式でも準備を完了した。試合後は山本由伸投手(26)、佐々木朗希投手(23)ら日本人選手とともにディナー会を開催。チームで一致団結し、開幕へ臨む。
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力強く、開幕へ向かう。大谷は阪神の右腕才木を相手に2打数無安打。2打席で途中交代した。1打席目はワンバウンドのスプリットを空振りし、三振。2打席目は内角高め速球を捉えたが、中飛で凡退した。日本凱旋(がいせん)後の初戦となった前日の巨人戦では第2打席で豪快弾をマーク。米アリゾナ州でのオープン戦も含めて実戦9試合で打率3割1分8厘、2本塁打で終えた。
連覇を目指す移籍2年目、おまじない? の準備も万全だ。試合前、コンディショニング担当のスミスコーチと対面し、手を頭上に伸ばして両拳を外側に向ける不思議なポーズを披露。同コーチとは昨年から試合前に行う恒例の儀式があり、人気漫画ドラゴンボールZの合体技「フュージョン」や、スタジオジブリの名作「となりのトトロ」を参考に、かわいらしいポーズを見せてきた。さて、今季は果たして…。開幕直前、ようやくその新ポーズがお披露目された。
スミスコーチは、多くは語らずも謎の一端を明かした。「ミスター・アンチェインだ!」とニヤリ。一体、どういうことなのか。格闘漫画「刃牙(バキ)」シリーズの登場人物「ビスケット・オリバ」の異名で、公式ホームページによると「超規格外の腕力と知力に物を言わせ、法の外に君臨する男。この地球上で最も自由に振る舞い生きることから、地上最自由(ミスター・アンチェイン)と呼ばれる」などと説明されている。チェイン(鎖)をほどき、全米最強とも言われる怪力を“解放する”という意味もあるようだ。
確かに大谷のパワーは、メジャートップクラスで周囲の度肝を抜く。頭脳明晰(めいせき)とも称され、あふれる才能を最大限に発揮させる意味でも、新ポーズはピッタリかもしれない。開幕前の最終調整を終え、ロバーツ監督は「いいスイングをしていた。2打席消化して、開幕への準備をしようと予定していた」とコメントした。打者大谷は年々、進化を遂げる。適宜、変更される可能性もあるが、新儀式も準備完了。鍛錬してきた力を100%、解き放つ。【斎藤庸裕】
○…ロバーツ監督が、注目を一身に浴びながら期待に応える大谷にリスペクトを示した。前日の巨人戦では第2打席で本塁打。凱旋(がいせん)アーチでファンを魅了した。同監督は、高い期待の中で結果を残せる要因について「日本の文化だと思う。ショウヘイ、ヨシノブ、ロウキ、過去に一緒にプレーした日本選手を含めて、共通しているのは謙虚ながら競争心があること。そこが日本文化の特徴」と私見を語った。また、2年目で開幕投手を務める山本について、昨年との違いは「自信だと思う。経験しないとなかなか自信は得られない。1年で大きく成長した」と評価した。