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【高校サッカー】大津エース山下景司「びっくりした」福井商の奇策6バック粉砕、まずは1ゴール


熊本の大津高校が全国高校サッカー選手権の1回戦で福井商業を4-0で破り、好スタートを切った。福井商業の6バック戦術に苦しんだものの、前半36分にMF兼松将が先制点を決め、その後もエースFW山下景司が得点を重ねた。山下は試合の序盤、「いろいろな思いを背負って戦う選手権は、いつも通りのプレーをすることが本当に難しい」と語ったが、最終的には3ゴールを追加。昨年の全国総体での初戦敗退の苦い経験から学び、今回は初戦を突破した。山下は今大会で10得点を目指し、次の2回戦では札幌大谷と対戦する。

大津対福井商業 後半、ゴールを決める大津・山下(左)(撮影・たえ見朱実)

<全国高校サッカー選手権:大津4-0福井商>◇29日◇1回戦◇柏の葉

高円宮杯U-18プレミアリーグFINAL王者の大津(熊本)が、全国2冠へ好発進を切った。6バックの奇策を講じてきた福井商を粉砕。エースFW山下景司(3年)のゴールなど4得点で快勝した。

プレミア西地区得点王の山下景は、キックオフから程なくして、戸惑った。

「ビックリした。これまで5枚はあったけど、6枚は初めて」

最終ラインに6人を並べた守備陣形。ボールを保持する大津はアタックを重ねたが、枚数を割く福井商の壁に何度もはね返された。

それでも大津は妥協しない。攻撃の手を緩めない。「サイドから突破できる感触があったので、慌てずにできた」と山下景。圧力をかけ続け、前半36分、ついに最初のゴールをこじ開ける。DF野口悠真が右サイドから上げたクロスに、MF兼松将が頭で合わせて先制点。後半に入り、さらにリズムをつかむと、山下景の右足などで3点を追加した。

チームは夏の全国総体(インターハイ)で、まさかの1回戦敗退を喫した。初戦の難しさは身に染みて分かっている。山下景もこの日、序盤は思うような動きができなかったという。

「いろいろな思いを背負って戦う選手権は、いつも通りのプレーをすることが本当に難しい。そういう雰囲気の中で今日、勝てたことは良かった。1試合こなすことができたので、次は最初から普段通りのプレーができるようにしたい」

本来の姿を取り戻し、上積みを見せられれば、破れない守備網はない。U-18プレミアでは22試合で20得点。決勝まで進めば全6試合を戦う今大会は、首都圏開催以降では1大会最多となる10得点(08年度、鹿児島城西・大迫勇也)を目標に掲げる。

初戦。まず1ゴールを挙げた。31日の2回戦は札幌大谷(北海道)と戦う。14人目までもつれ込んだPK戦を制し、一丸となって立ち向かってくるはずだが、チームに2つ目の全国タイトルをもたらすべく、エースは得点を量産していく。【奥岡幹浩】

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