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猫の『眉毛』、実は重要な役割があった!3つの働きを解説 ヒゲと同じで切っちゃダメ?


猫の「眉上毛」を含めたヒゲは、障害物センサー、バランス調節、ハンティング補助など、様々な役割を果たしています。特に「眉上毛」は、障害物を回避し目や頭を保護するための重要なセンサーとして働いています。ヒゲの根元には神経と血管が集中しているため、細かな動きや振動を敏感に察知し、自動的に反射行動を引き起こします。このシステムにより、猫は暗闇でも隙なく移動でき、高いバランス感覚を維持することができるのです。

1.障害物センサー

野外を探索中の猫

猫の眉毛は、正確には「眉上毛」と言って、れっきとしたヒゲの仲間です。瞳の上辺りにあって、5、6本程度、アンテナのように張り出しています。このほかにも、「上唇毛(口の上部)」、「口角毛(口の端)」、「頬骨毛」などのヒゲがあります。

ヒゲの根元には多くの神経と血管が集まっているため、わずかな刺激でも素早く察知できます。「眉上毛」も同様で、非常にデリケートです。絶対に切ってはいけません。

「眉上毛」を含めた猫のヒゲの役割として、まず挙げたいのは、障害物センサーの働きです。

猫は、たとえ障害物が目の前に立ちはだかっても、巧みに避けながらスムーズに歩いていけます。暗いところでもそれは変わりません。

なぜそんなことが可能かと言うと、猫のヒゲがレーダー代わりになって、障害物の有無、距離感を正確に把握できるからです。

なかでも、「眉上毛」が得意なのは、目や頭を障害物から守る「仕事」です。たとえば、草むらを歩くとき、鋭い草の先端が目に入ってきそうになっても、「眉上毛」に触れると、自動的にまぶたが閉じるしくみになっています。

種を明かせば、「眉上毛」は、「反射弓(神経のひとつ)」と連動しているからです。誰かが通ったら明かりがつく、センサー式ライトと似たようなシステムと言っていいかもしれません。

この自動システムがあるおかげで、猫は障害物を上手にかわし、目を傷つけることなく前に進んでいけるわけです。

2.バランサーとして

ジャンプ中の猫

「速く走る」「高くジャンプする」などの優れた能力以外にも、猫には傑出したバランス感覚が備わっています。実は、このバランス感覚を支えているのが、「眉上毛」を含めた猫のヒゲです。

猫は、高いところ、不安定な足場でも、足元を確認することなく、スタスタと移動できます。バランスを崩すざにスムーズに歩けるのは、猫のヒゲが、まわりの空気の微妙な振動をとらえ、そのつど、自身の体勢を調節できるからです。

いわゆる「ネコひねり」と呼ばれる驚異的な行動にも、猫のヒゲが大きな役割を担っている、と考えられています。たとえ高所から妙な体勢で落下しても、空中で鮮やかに身体をひねり、両脚で難なく着地します。

人間の場合、たとえば、平均台を歩くとき、両腕を上下させないと、うまくバランスが取れません。猫の場合は、四つ足プラス自慢のヒゲで平衡感覚を保ちます。猫のヒゲは、別名「触毛」とも言われ、まさに人間で言うところの「手」のようなものです。

ジャンプしたり、飛び降りたり、猫が立体的な動きに長けているのは、猫のヒゲが支えるバランス感覚のおかげです。

3.狩りを支えるツールのひとつ

ハンティング中の猫

みなさんもご承知のように、猫は単独行動のハンターです。卓越した瞬発力と抜群の聴覚を駆使して、獲物を捕まえ、あるいは、敵から逃亡します。「眉上毛」などの猫のヒゲもまた、他の能力と同様に、サバイバルにひと役買っています。

猫のヒゲは高精度を誇るセンサーと同じで、空気の振動だけでなく、温度や風向き、匂いまでも鋭く感知します。一見、立派な飾りのようであっても、ヒゲが情報収集のツールとして機能しているわけです。

猫は、ヒゲなどを使って集めた情報をもとに、獲物の気配や行方を知り、間近に迫りつつある敵の急襲を回避します。

たとえてみれば、私たち人間はネット検索で目当ての飲食店を探しますが、猫は自前のヒゲ(聴覚なども)を使うだけで、美味しいお店にたどり着けます。

ヒゲをはじめ、しっぽや小さな耳、肉球に至るまで、猫の身体は非常に機能的です。それぞれに大切な役割が振り当てられています。

ちなみに、ヒゲの中で最も目立たない「下唇毛(あごの下)」にも、「障害物を察知する」というちゃんとした役目があります。「下唇毛」はかなり短く、気づかない飼い主さんもいるかもしれません。気になった方は、今度、改めて愛猫をじっくり見てみてください。

まとめ

猫の眉毛

猫の眉毛は、正式には「眉上毛」であり、他のヒゲと同じように、「障害物を感知する」「バランス感覚を担う」「ハンティング&危険回避」、主に3つの働きがあります。

とりわけ、障害物トラブルから目や頭を守る際に、大活躍してくれます。とても大切なものなので、むやみに傷つけないように気をつけましょう。


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