<全日本大学サッカー選手権:新潟医療福祉大2-1日大>◇22日◇準々決勝◇栃木市総合運動公園陸上競技場
新潟医療福祉大(北信越1)が日大(関東6)に2-1で逆転勝ちし、準優勝した第71回大会(22年度)以来2年ぶりに4強入りを決めた。後半31分、ハーフウエーライン付近からのロングシュートで先制されるも、同39分に途中投入のMF森駿人(1年)がドリブル突破から同点ゴールを決めて1-1。さらに同43分、MF松本天夢(4年、V・ファーレン長崎内定)がPKを沈め、わずか5分間で試合をひっくり返した。中2日で行われる25日の準決勝は、前回王者の明大(関東1)と対戦する。
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新潟医療福祉大が鮮やか2発で4強入りを決めた。まずは1年生ドリブラーの森。0-1の後半35分に投入されると、わずか4分後に左サイドを切り裂き左足で同点弾を奪ってみせた。勢いづいたチームは、もう止まらない。1-1の同43分、相手のハンドで得たPKをエース松本がゴール左隅にしっかりと沈め勝ち越した。佐熊裕和監督(61)は「自分たちのサッカーを貫いた。よく90分間で試合を決めた」と追う展開になっても自分たちを見失わなかった選手を褒めた。
この日は目が開けられないぐらいの強風に苦しんだ。風上の前半は後方からのフィードが風に伸びでエンドラインを割り、足元を狙ったパスも味方と合わない場面が目立った。それでも後半にしっかりと立て直し、パスとドリブルを使い分けて前進し優位にゲームを展開。意表を突くロングシュートで先制されるも落ち着いて敵陣に押し込み、相手より多くゴールネットを揺らした。
日大には準優勝した9月の総理大臣杯・準々決勝で3-1勝利。「相手の気持ちを上回ろうとチームに慢心はなかった」と佐熊監督が話したように、球際、こぼれ球への反応、そして勝利への執念を試合終了まで持ち続けて日大のリベンジを許さなかった。
準決勝は明大とマッチアップする。常に関東で大会を戦う前回王者とは対照的に、新潟医療福祉大は18日に大阪で行われた決勝ラウンドB組・第3節阪南大(6-2)戦後、すぐにバスで栃木に長距離移動してこの日の一戦に臨むなどタフな日程を戦う。それでも指揮官はそれを言い訳にしない。「最善の準備をして、明大との初対決を制したい」と必勝を誓った。【小林忠】
○…明大との準決勝は主将のDF秋元琉星(4年、ザスパ群馬内定)が累積警告で出場停止となる。佐熊監督はボランチ起用が続く左利きの細井響(3年)を本来のセンターバックに戻すか、代役を起用するかを選手間の組み合わせやコンディションで決めるとした。秋元は「誰が出ても勝てるチームになっているし、信頼しています。応援などピッチ外で出来ることをやり、決勝に向けて準備するだけです」とチームメートに思いを託した。