今秋のドラフト候補に挙がっていた菅(すげ=神奈川)の岩瀬将投手(18)が北東北大学野球リーグの富士大に進学することが9日、分かった。この日までに同大の推薦入試に合格した。
岩瀬は高校2年の夏は代走出場のみで神奈川大会で初戦敗退したものの、そこからの1年間で最速143キロに急成長。練習試合では強豪私立校を相手に2ケタ奪三振を記録し、今夏の大会前までに日米12球団が視察に訪れるほどの存在になっていた。
今夏の神奈川大会は第1シードの向上に2回戦で敗退。同決勝の東海大相模-横浜を生観戦し「自分の練習不足、努力不足を感じました。もし投げていても間違いなくボコボコにされるなと思いました」とあらためて刺激を受け、ジム通いも始めた。
プロ志望届を提出するも、面談は1球団のみ。ドラフト会議での指名見込みも薄く、富士大への進学を目指しながら練習した。ドラフト当日も自宅でテレビ中継を視聴した。驚いた。
「いや、ほんと、ちょっと鳥肌が立ちました」
進学先として希望している富士大から、オリックス1位の麦谷祐介外野手(22)や広島2位の佐藤柳之介投手(22)など一挙に6選手が指名された。
「どんどん富士大から名前を呼ばれて。わくわくしました。めちゃめちゃ、モチベーションが上がりました。自分も合格して4年間でしっかり練習すれば、4年後にこの舞台に立てるかもしれないと。希望をもらいました」
球速以上に、空振りを奪える球質の良さに着目する高校野球関係者も多かった。小所帯、無名の公立校から、1学年だけで数十人の部員がいる環境へ進む。その変化に「緊張しますね」と言いながら「完成度を今よりも何倍も上げて、周りとはちょっと違う感じの、個性的というか、自分の世界がある、そういう感じの投手になりたいです」と夢を描いた。【金子真仁】