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「消費税の上乗せ」が事業の明暗を分ける 100円ショップを例に解説



100円ショップで消費税が上乗せされていることに疑問を感じたことはありませんか?



確かに消費者は消費税を負担しますが、本体価格に上乗せする義務は消費税法のどこにも明記されていません。消費税を上乗せしないで、100円(本体価格93円、消費税7円)で販売することは可能です。



それにもかかわらす、100円ショップが消費税を上乗せしているのには理由があります。









100円ショップが消費税を上乗せするのは立派な経営戦略


100円ショップぐらいであれば、消費税を上乗せされても、支払う金額はそこまで大きく変わりません。レジでのお釣りの計算がちょっと面倒なぐらいでしょう。



しかし、100に消費税を上乗せする・しないは100円ショップにとっては死活問題です。





消費税を上乗せしないだけで赤字になることもある


実際にシミュレ-ションをすると100円ショップで消費税を上乗せする理由が明確になります。



100円に消費税を上乗せしたケース




(1)価格108円(本体価格100円、消費税8円)

(2)販売数量10億個

(3)仕入単価86.4円(本体価格80円、消費税6.4円)

(4)売上高1,080億円=価格108円×10億個

(5)仕入原価864億円=仕入単価86.4円×10億個

(6)粗利益216億円=売上高1,080億円-仕入原価864億円

(7)経費162億円・・・販売数量の増減に関係なく負担すべき一定額の費用(家賃、給料など)

(8)黒字54億円=粗利益216億円-経費162億円



100円に消費税を上乗せしないケース



今度は価格100円に消費税を上乗せしないケースです。上記の例と違ってくるのは次の項目です。



(1)価格100円(本体価格93円、消費税7円)

(2)売上高1,000億円=価格100円×10億個

(2)粗利益136億円=売上高1,000億円-仕入原価864億円

(3)赤字26億円=粗利益136億円-経費162億円



消費税を上乗せしないために、その分の80億円の売上高・粗利益が減少して、赤字に転落する結果が得られました



なぜなら、仕入原価・経費が上記の例と変わりないからです。





上乗せしない分をカバ-するためには販売数量を1.59倍以上の増やすことが必要




実際に値引きしても、販売数量が増えれば売上高は伸びます。俗にいう薄利多売です。



それでは消費税を上乗せしないで、上記の例と同じ黒字の金額を獲得するために必要な販売数量を計算します。



ポイントは価格100円(本体価格93円、消費税7円)で、粗利益が216億円に到達するための販売数量を求めることです。



注意すべき点は販売数量に比例するのは売上高だけなく、仕入原価も増加します。ちなみに経費は上記の例と同額です。



(1)まずは1個当たりの粗利益を計算すること



1個当たりの粗利益13.6円=価格100円-仕入単価86.4円



(2)次に必要な販売数量を求めること



販売数量15.9億個=粗利益216億円÷1個当たりの粗利益13.6円



消費税を上乗せすれば10億個で同額の粗利益が計上できるのに、上乗せしないと15.9億個と1.59倍の販売数量が必要です。





安易な値引きは止めよう


今回は消費税を通じて、価格の設定がいかに経営に影響を及ぼすのかを理解していただけたと思います。



特に価格の設定に携わるビジネスパ-ソンには、安易な値引きの危険性を認識していただければ幸いです。販売数量一辺倒で稼ぐのはとても大変です。





起業家・週末起業家なら消費税を上乗せして請求しよう


消費税を納めていない起業家・週末起業家の中には、免税なので価格に消費税を上乗せしてはいけないと勘違いされている方がいらっしゃいます



でも、そんなことは消費税法に一言も書いていません。むしろ、売上高にカウントされると解釈されています。



「消費税を上乗せしてはいけない」と勘違いされているなら堂々と税率8%を本体価格にプラスして請求されてみてはいかがでしょうか。(執筆者:阿部 正仁)



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