朝夕などに涼しさを感じる季節、寒く乾燥した季節に向かっていきます。
乾燥した寒い時期には、感染症が流行りだします。高齢者は、感染症にかかると重症化しやすい場合もあり、かからないに越したことはありません。
今回は高齢者が無料や安価で取り組むことができる感染症予防についてお伝えします。
簡単で有効な手洗いをきちんとしよう
人は手を使って、色々な作業を行います。ウィルスや菌がついている手で口や鼻などを触ると感染症にかかってしまいます。
不潔な手で食事や調理を行うことも感染につながります。帰宅時や調理の前後、食事前、トイレ後など日常生活の中でこまめに手を洗うようにしましょう。
手洗いにも正しい洗い方があります。
・手をふくタオルが清潔ではない
丁寧にこすり洗いをしても、水で石鹸を流し切れていない・不潔なタオルで手を拭くなどで、手洗いの効果が減少します。
普段から手洗いを意識している方は多いと思います。手洗いは、特別な物品は必要なく、厚生労働省から感染症対策の基本としても推奨されています。
感染症予防として手洗いの方法をいま一度見直すことは、無料でできます。
感染症予防の手始めとして手洗いの方法の見直しをおすすめします。
参照:厚生労働省 うつらないために、うつさないために 正しい手の洗い方(pdf)
免疫力や抵抗力upには十分な食事と睡眠が必要
感染症を予防する為には、免疫力や抵抗力を上げておくことも必要です。
加齢に伴い免疫機能は低下していきます。ストレスや環境も免疫機能に影響を与えます。
食事や睡眠などの生活習慣が乱れやすい高齢者は、免疫機能が低下しやすい状況にあるといえます。
免疫機能の低下を防ぎ、アップさせる方法のひとつとして、食事や睡眠の生活習慣を整えることがあげられます。
バランスの良い食事や質の良い睡眠は、免疫機能の為だけではなく、日常を健康に過ごす為にも重要です。
普段の食事がお漬物と味噌汁だけのことが多い、夜中に何度も起きてしまい、質の良い睡眠がとれていないなどお悩みがある方は、この機会にできる範囲で少しずつ改善しましょう。
食事
手軽に食事に足すことができる玉子や豆腐、缶詰、冷凍野菜やレトルト食品などを活用
睡眠
良く寝られるように、日中に軽い運動をしたり、寝室の温度や明るさを調整する
食事も睡眠も、手間とお金をかけない工夫で変えていくことができます。
手軽にできる感染症予防として、食事や睡眠の見直しを行うようにしてみてください。
参照:公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット 免疫系の老化
予防接種に補助がある感染症には、接種を検討
毎年流行するインフルエンザや肺炎などの重い合併症を引き起こす可能性がある肺炎球菌感染症などは、重症化を防いだり予防するために、高齢者には予防接種が推奨されています。
お住まいの自治体によっては、予防接種料金に助成があります。
北海道 神恵内村の例
RSウイルスワクチンの接種料金の助成
助成対象者 神恵内村村民で、満60歳以上
接種回数 2年ごとに1回接種
自己負担額 接種料金の1割が自己負担
参照:神恵内村 RSウイルスワクチン接種金助成について
予防接種を受けることによって、免疫や抵抗力がつき、感染症の発症や重症化を防ぐことができます。
市区町村で予防接種費用の助成を行っている場合、年齢や回数、対象者の状態によって、助成の可否や助成の金額が異なってきます。
市区町村が作成している予防接種費用助成のお知らせ用チラシは、病院内に掲示してあったり、市区町村のホームページに高齢者の予防接種費用の助成に関するページがあります。
予防接種を受けることが可能かどうかなどは、かかりつけ医に相談してください。
予防接種に関していろいろな意見があります。
ネットや噂話を鵜呑みにするのではなく、自分の身体のことをよく知ってくれているかかりつけ医に予防接種に関する不安や疑問点を相談し、予防接種を受けるかどうかを判断してください。
毎年、乾燥する寒い時期になると何かしらの感染症が流行ります。
高齢者の身体の状態は、毎年変わらずに一定という物ではありません。
去年は感染症にかかっても重症化しなかったから大丈夫、今までひどくなったことはないから今年も大丈夫だろうと考えるのは危険です。
手洗いや食事や睡眠などの生活習慣を整えるのは、感染症対策としてだけではなく日々を健康的に明るく過ごす為に重要なことです。
予防接種を受けていると、感染症にかかってしまった時でも重症化しなくて済むという、安心感を得ることができます。
これから乾燥した寒い時期になっていきます。
体力などを過信せず、事前に免疫力や抵抗力を高め乾燥した寒い時期の感染症の流行に負けないようにしましょう。
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