<ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12:侍ジャパン9-1アメリカ>◇21日◇東京ドーム
22歳VS 44歳-。侍ジャパン高橋宏斗投手(22)が若さをさく裂させた。「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」スーパーラウンド初戦で、米国の先発44歳左腕のヒルが操る110キロ台のカーブに対し、自己最速タイとなる158キロの剛速球と150キロに迫る高速スプリットで対抗。4回2安打無失点、8個の奪三振ショーを披露した。鮮やかな逆転劇で日本は国際試合25連勝、対米国戦は4連勝。スーパーラウンド初戦を白星で飾り、大会2連覇へ好スタートを切った。
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22歳の高橋が44歳ヒルとの“親子対決”で息詰まる投手戦を演じた。年齢はちょうど倍。ヒルはメジャー通算20年で90勝を挙げ、13球団を渡り歩いた「ジャーニーマン」の左腕。高橋はプロ4年で25勝、中日一筋の右腕だ。対照的な両投手は投球スタイルも正反対だった。
「剛・高橋」は全開スタイル。「やっぱり出し切れたと思ってマウンドを降りれるように。1回1回の積み重ねだと思う」。中5日で1回は自己最速タイの158キロを計測した。立ち上がりに奪った3者連続三振は全てスプリット。自主トレに師事したドジャース山本直伝のウイニングショットだった。150キロに迫る“魔球”で米国代表の出ばなをくじいた。一方で「柔・ヒル」は緩急を使う熟練の投球を披露。直球の最速は143キロながら110キロ台のカーブを混ぜて侍ジャパンを手玉に取った。
NPBでも異例の22歳差対決。父と子ばりの年齢差で高橋は互角に渡り合った。4回70球を投げ、2安打8奪三振、無失点。「前回の登板からしっかり修正ができました。何よりゼロに抑えられてよかったです」。ヒルも4回58球を投げ、1安打5奪三振、無失点でマウンドを降りた。経験値も投球スタイルも異なる両者だが「快投」だけは同じだった。
侍ジャパンの誇るフレッシュマンに導かれ、日本は国際試合25連勝、対米国戦では4連勝を収めた。大会2連覇に向けて、スーパーラウンド白星発進を決めた。【只松憲】