筆者は3年かけて独学で保育士試験に合格し資格を取得しました。
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保育士資格は専門学校などで学び取得する方法もありますが、取得までの費用は交通費等も含めると300万円以上になるでしょう。
一方、独学で取得した筆者は総額10万円でした。
今回は、中高年の筆者が保育士資格を取得しようと思った理由とメリット、そして総額10万円の内訳をお話しします。
中高年から保育士資格を独学で取得するメリット
筆者はフリーランスです。
フリーランスのデメリットは生活の不安定さです。
筆者は
「子育てから得たスキルを形にしたい」
「人格形成の要になる幼児期にたずさわりたい」
「生計の命綱が欲しい」
という思いから保育士資格取得を目指すことにしました。
とはいっても専門学校に通うとなれば費用と時間の確保が必要です。
費用は2年間で約300万円(学費や交通費などの経費込み)、また仕事と子育てを両立しながらの2年間通学は難しく独学で資格取得を目指しました。
筆者が実際に資格取得を果たして感じた独学ならではのメリットが2つあります。
独学で保育士試験を受験する場合、受験資格を満たす必要があります。事前に受験資格の有無の確認をしてください。
メリット1:費用が安い
最大のメリットは費用総額が安かったということです。
専門学校ならば試験以外の実務や現場の雰囲気を感じられるメリットがありますが総額300万円の出費は大きすぎます。
とくに中高年は老後の備えや子どもの学費もあり、自分のためだけに300万円のお金を用意することはできないでしょう。
筆者は総額10万円で保育士証を手にすることができました。
メリット2:出費が分散できる
300万円と比べれば10万円は小さな金額に聞こえます。
しかし10万円も大きな金額です。
筆者は「総額10万円」はかかりましたが一括で支払ったのではなく、取得までの3年間をかけて10万円を使いました。
専門学校の場合は年度初めにまとまったお金が必要ですが、独学の場合は必要なときに随時少額を出費するためお金に関する精神的な負担も小さくなります。
独学で保育士資格を取得するまでにかかった費用10万円の内訳と節約のポイント
保育士資格を取得するまでの流れは1次試験(筆記・8科目・2日間)と2次試験(実技・2種類・1日間)に合格し、その後保育士登録をします。
1次試験の8科目は科目ごとに合否があり、合格した科目の有効期限は3年間です。つまり3年間かけて8科目に合格すればいいのです。
有効期限の3年間には2次試験も含まれます。
1次試験の合格が有効なうちに2次試験にも合格する必要があります。
独学では1次試験対策から2次試験対策、その他の費用が必要です。
ここからは筆者の体験をもとに総額10万円の内訳と節約のポイントをお話しします。
必要最低限が正解「テキスト代」8,000円
保育士試験は8科目の筆記試験に合格する必要があります。
専門的な内容ですが、書店にはわかりやすいテキストや問題集がたくさんあります。
節約のポイントは「参考書は1種類と過去問のみ」です。
参考書とは試験範囲の解説が書かれた教科書です。
独学の場合は、教科書を使って一から学びます。
教科書をたくさん買う人がいますが無駄です。
学校教育と同じように教科書は1種類に絞り、1種類を徹底的に使うことが節約と合格のポイントです。
そしてインプットを終えたら過去問をもとにアウトプットします。
書店には「ポイント別問題集」「携帯用問題集」などがありますが筆者は購入しませんでした。
保育士試験のテキストは1冊2500円程度と高額です。
フリマサイトや古書店で購入することはおすすめしません。
なぜならば資格試験は最新情報を得ることが合格のポイントだからです。
フリマサイトを活用「2次試験用の服と道具」2,000円
1次試験に合格したら2次試験です。
2次試験は指定された会場に行き、試験監督の前で実技試験を行います。
2次試験は音楽と造形と言語の3種類の中から2つを選びます。
筆者は音楽と造形を選びました。
音楽は課題曲2曲の弾き語りです。
楽器はギターでもピアノでもアコーディオンでもかまいません。
筆者はピアノを選びました。
ギターやアコーディオンは持参する必要がありますが、ピアノは会場にあるものを使います。
楽譜は持参します。
試験用の楽譜は販売されていますが約1,000円です。
筆者はインターネットから無料でダウンロードできる楽譜を探し、プリントアウトしたものをダンボールにはりつけて持参しました。
ダンボールのままだと見た目が悪いため無地の包装紙で裏面を覆いました。
造形は色鉛筆画です。
子どもが使っていた24色の色鉛筆を借りました。
筆者は「2次試験は保育士の適性をみる面接も兼ねている」と考えました。
保育士らしい話し方や立ち振る舞い、そして服装です。
とくに中高年は学生よりも常識があるという前提で見られるため服装のハードルは上がるでしょう。
筆者はフリマサイトで仕立ての良いブランド物のワイシャツ(ブルーとピンクのストライプ柄)を2,000円で購入し、手持ちの黒いスラックスとあわせました。
きちんと感の中に保育士らしい明るさとやさしさを服装で表現しました。
2次試験では服やバッグ、道具が必要です。
すべてを新品でそろえればお金がかかります。
2次試験対策はフリマサイトの活用がおすすめです。
最大3年間分「受験手数料と郵送費用など」85,000円
保育士試験の受験料は1回12,700円が必要です。
さらに郵送費用や写真代などを含めて1回の受験につき約14,000円がかかります。
試験は1年に2回(前期と後期)です。
14,000円×2回(前期と後期)×3年間で最大約85,000円(取得までに3年間かかった場合)かかります。
受験手数料と郵送費用を節約するポイントは2023年から始まったオンライン申請です。
オンライン申請を利用することで1回の受験につき約1,000円節約ができます。
意外と遠い「交通費と待機費用」
試験の会場は指定されます。
とくに2次試験はピアノがある会場が条件になるため場所が限られます。
筆者は2日間連続の1次試験も2次試験も自宅から約2時間かかる大学が指定されました。
交通費だけでも往復1,800円×3日分=5,400円です。
さらに1次試験は10時ごろから17時ごろまで丸2日間。
2次試験はスケジュールによっては待ち時間が数時間に及びます。
長時間の留守番が難しい子どもがいる場合は、子どもを預けるお金も必要です。
筆者は帰宅が遅くなり、夕食代のデリバリーに想定外のお金がかかりました。
合格後に必要「保育士登録申請費用」約5,000円
保育士試験に合格し、保育士として働くときには児童福祉法にもとづいて都道府県知事に登録する必要があります。
登録をすることではじめて「保育士証」が送付されます。
保育士登録申請の費用が約5,000円かかります。
筆者は保育士証を手にするまでに3年間かかりました。振り返ってみると「総額10万円もかかっていたのか」と驚きましたが、手にした保育士証の価値は10万円以上です。