データアプリ Research Memo(1):2026年3月期はM&Aも寄与して大幅増収・EBITDA増益予想
1. データ交換・連携用プラットフォームを中心に展開するDXソリューションカンパニー
データ・アプリケーション<3848>は、企業内外のデータ連携に関するソフトウェア製品の開発・販売及びコンサルティングを展開するソリューションカンパニーである。EDI※1やEAI※2といったデータ交換・連携用プラットフォームを中心に展開し、EDIミドルウェア※3市場でのマーケットリーダーとなっている。
※1 EDIはElectronic Data Interchangeの略。受発注・見積・出荷・入荷・決済など商取引に関する電子データを企業間で交換する仕組み。
※2 EAIはEnterprise Application Integrationの略。企業内の複数のコンピュータにあるデータや業務プロセスを効率的に統合する仕組み。
※3 ミドルウェア(middleware)はコンピュータを制御する要素の1つで、コンピュータの基本的な制御を行うOS(Operating System)と、具体的な処理を行うアプリケーション(application software)との中間(ミドル)に位置し、それぞれの機能を補完するソフトウェアのこと。代表的なミドルウェアとしてデータベース管理、データ交換・連携、Webサーバ、トランザクションモニターなどがあり、いずれも企業のシステム開発作業削減や業務コスト低減を実現する。
2. サブスクリプション型ビジネスモデルへの戦略的シフトを加速
主力製品は「ACMS※」シリーズで、同シリーズ最上位モデルのエンタープライズ・データ連携プラットフォーム「ACMS Apex」、データ加工・変換をノーコードで実現できるデータハンドリングプラットフォーム「RACCOON」を戦略製品と位置付けているほか、ワークマネジメントプラットフォーム「Placul」等も展開している。さらに2025年11月(予定)にはクラウド型データ連携プラットフォーム「ACMS Cloud」の販売を開始する。サブスクリプション型ビジネスモデルへの戦略的シフトを加速させる方針だ。なお2024年7月に(株)WEEL、2025年4月にデジタルトランスコミュニケーションズ(株)(以下、DTC)及び(株)メロンを子会社化してグループ4社体制となった。
※ 「ACMS(Advanced Communication Management System)」は同社の登録商標である。
3. 2025年3月期(連結決算へ移行)は前期の一過性特需の反動影響で減収減益
2025年3月期の連結業績(中間期よりWEELを新規連結して連結決算に移行)は売上高が2,607百万円、営業利益が329百万円、経常利益が360百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が268百万円だった。前期の非連結業績との比較で売上高は10.7%減、営業利益は同40.1%減、経常利益は同36.9%減、親会社株主に帰属する当期純利益は同45.7%減となる。サブスクリプション売上が順調に伸長したが、前期の一過性特需(パッケージの大型案件)の反動影響やメンテナンス売上の減少影響により、全体として減収減益だった。サブスクリプションの売上高は同33.5%増加して829百万円、売上高構成比は同10.5ポイント上昇して31.8%となった。なお前期比では減収減益だったが、前回予想との比較では売上高は107百万円、営業利益は129百万円、経常利益は140百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は98百万円それぞれ上回った。サブスクリプション売上の順調な拡大に加え、第4四半期にパッケージ大型案件を受注したことが寄与した。
4. 2026年3月期はM&A効果で大幅増収・EBITDA増益予想
2026年3月期の連結業績予想は売上高が前期比72.6%増の4,500百万円、営業利益が同14.9%減の280百万円、EBITDA(営業利益+償却費+株式報酬費用)が同13.6%増の500百万円としている。売上面はM&A効果(WEELの通期連結、DTC及びメロンの新規連結)により大幅増収予想としている。同社単体ベースの売上高については、おおむね前期と同水準の見込みとしている。前期第4四半期の大型案件の反動影響をサブスクリプション売上の伸長でカバーする。利益面はM&Aに伴って人員が大幅に増加し、人件費の増加、外注費の増加、管理体制強化に伴う関連費用の増加、のれん償却費の増加等を見込み、営業減益予想としている。ただし、のれん償却費等を除くベースのEBITDAは大幅増益予想としている。
5. グループ4社連携により次世代データプラットフォーム構築を目指す
同社はM&Aによってグループ4社体制となったことに伴い、2025年5月に新中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)を策定し、新たな計数計画を最終年度2028年3月期売上高60億円、EBITDA10億円とした。グループ4社連携により「ACMS Cloud」をベースとして障害検知を含む高度な分析が可能になる次世代データプラットフォーム構築を目指す。事業戦略については前中期経営計画から変更はなく、DIGITAL WORK※の実現と同社グループの企業成長を両立すべく、事業戦略の三本の柱として事業領域の拡大・開拓、収益安定性の向上、人的資本経営の推進を掲げている。また財務方針・株主還元についても前中期経営計画から変更はなく、資本コストや株価を意識しつつ2028年3月期ROE15%以上を目標とする。株主還元については年間25.00円を配当下限額として、DOE(株主資本配当率)3.5%を目途に長期的・安定的な配当の維持を目指す。また2023年1月より導入した株主優待制度を継続する。
※ DIGTAL WORK:DXされた新しい働き方を同社が定義。
■Key Points
・EDIミドルウェア市場でのマーケットリーダー。サブスクリプション型ビジネスモデルへの戦略的シフトを加速
・2025年3月期は前期の一過性特需の反動影響で減収減益。2026年3月期はM&A効果で大幅増収・EBITDA増益予想
・グループ4社連携により次世代データプラットフォーム構築を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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