四電工 Research Memo(5):2025年3月期は計画を上回る大幅増収増益で過去最高
1. 2025年3月期連結業績の概要
2025年3月期の連結業績は受注高が前期比1.8%増の99,537百万円、売上高が同14.9%増の105,877百万円、営業利益が同25.3%増の8,073百万円、経常利益が同21.7%増の8,536百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同13.2%増の5,173百万円と、大幅増収増益となった。2024年10月の上方修正の計画(売上高105,000百万円、営業利益7,000百万円、経常利益7,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,600百万円)を上回り、受注高・売上高・各利益とも過去最高となった。前期から工程がずれ込んでいた複数の大型工事が順調に進捗したことに加え、資機材の安定調達や原価管理徹底も寄与した。
売上高の内訳は完成工事高が同16.2%増の100,847百万円、その他の事業が同5.3%減の5,030百万円となった。全社の売上総利益は同13.9%増加し、売上総利益率は同0.1ポイント低下して17.4%(完成工事総利益率は同0.1ポイント低下して16.6%、その他の事業総利益率は同1.7ポイント上昇して32.6%)となった。販管費は同6.4%増加したが、販管費比率は同0.8ポイント低下して9.7%となった。この結果、営業利益率は同0.6ポイント上昇して7.6%、経常利益率は同0.5ポイント上昇して8.1%となった。なお、特別損失に減損損失531百万円、固定資産圧縮損180百万円などを計上した。
配電工事は堅調、電気・計装工事が大幅伸長
2. セグメント別、工事種類別・得意先別の動向
セグメント別(セグメント間内部取引消去等調整前)では、設備工事業は売上高が前期比16.6%増の101,341百万円で営業利益が同32.3%増の6,852百万円、リース事業は売上高が同5.6%減の2,784百万円で営業利益が同9.5%減の266百万円、太陽光発電事業は売上高が同1.6%減の2,110百万円で営業利益が同4.0%増の800百万円、その他は売上高が同4.8%減の1,347百万円で営業利益が同2.0%増の209百万円となった。主力の設備工事業は電気・計装工事における大型案件が寄与して大幅増収増益となり、営業利益率は資機材の安定調達や徹底した原価管理などが寄与して同0.8ポイント上昇した。リース事業、太陽光発電事業、その他もおおむね堅調に推移した。
工事種類別の売上高(単体ベース)は合計が同21.9%増の94,108百万円で、内訳は配電工事が同7.7%増の35,369百万円、送電・土木工事が同16.3%減の5,091百万円、電気・計装工事が同52.4%増の35,528百万円、空調・管工事が同11.0%増の10,840百万円、情報通信工事が同55.3%増の5,870百万円、兼業事業が同1.2%減の1,407百万円となった。送電・土木工事が減収となったものの、四国エリアにおける大型案件工事の進捗が順調となった電気・計装工事が大幅増収となり、配電工事、空調・管工事、情報通信工事も順調に伸長した。得意先別の売上高(単体ベース)は四国電力グループ向けが同4.0%増の41,119百万円、官公庁が同14.4%増の8,828百万円、一般民間が同47.4%増の44,160百万円となった。一般民間は大型案件が寄与して大幅伸長した。また四国電力グループ向けが堅調に推移し、官公庁も伸長した。なお2025年3月期末時点の繰越工事残高(単体ベース)は同12.0%減の47,700百万円となった。大型案件の順調な工事進捗により減少したが、引き続き高水準を維持している。
なお2025年3月期の完成物件としては、徳島文理大学高松駅キャンパス(香川県)(電気・計装工事、空調・管工事)、香川県立アリーナ(香川県)(電気・計装工事)、阿波製紙(株)新小松島工場(徳島県)(電気・計装工事、空調・管工事)、ヒューリックロジスティクス野田II(千葉県)(電気・計装工事)、四国ろうきん松山ビル(愛媛県)(電気・計装工事、空調・管工事)、三好市新庁舎議場管理システム(徳島県)(情報通信工事)、アサヒビール(株)茨城工場内(茨城県)(電気・計装工事)などがある。
自己資本比率が上昇し、財務の健全性が高まる
3. 財務の状況
財務面で見ると2025年3月期末の資産合計は前期末比3,574百万円減少して99,630百万円となった。受取手形・完成工事未収入金等が同3,187百万円増加した一方で、現金及び預金が同1,504百万円減少、関係会社預け金が同4,600百万円減少した。負債合計は同6,669百万円減少して34,739百万円となった。未成工事受入金が同406百万円増加した一方で、支払手形・工事未払金等が同1,028百万円減少、未払金が同4,625百万円減少、退職給付に係る負債が同444百万円減少した。有利子負債残高(長短借入金、社債)は同1,587百万減少して8,462百万円となった。純資産合計は同3,094百万円増加して64,890百万円となった。その他有価証券評価差額金が同185百万円減少した一方で、利益剰余金が同2,495百万円増加、退職給付に係る調整累計額が同704百万円増加した。この結果、自己資本比率は同5.3ポイント上昇して65.1%となった。
流動資産及び流動負債が大幅に変動したが、これは2025年3月期より工事代金等の支払について、手形による支払を廃止して現金振込による支払に方針変更した結果、変更前に振り出した手形等の支払いと変更に伴う現金振込の増加分が同時期に発生した一過性要因によるものである。支払手形廃止に加え、利益剰余金の積み上げによって自己資本比率が大幅に上昇した。キャッシュ・フローの状況にも特に懸念される点が見当たらないことを勘案すれば、同社の財務の健全性が高まっていると弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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