四電工 Research Memo(4):設備工事業の利益率が上昇、リース事業と太陽光発電事業等は安定した収益を計上
2. セグメント別の推移
セグメント別業績(セグメント間内部取引消去等調整前)の過去6期(2020年3月期~2025年3月期)の推移を見ると、設備工事業は売上高・営業利益とも拡大基調であり、2020年3月期に売上高は77,427百万円(売上比は93.6%)、営業利益は2,442百万円であったが、2025年3月期には101,341百万円(売上比が95.7%)、営業利益は6,852百万円まで上昇した。設備工事業の営業利益率は2020年3月期の3.1%から2025年3月期には6.8%まで上昇した。これは、人手不足等を背景に受注単価上昇や受注採算改善が進展していることに加え、資機材調達を含めた原価管理の徹底や施工の効率化など各種取り組み施策の成果である。リース事業及び太陽光発電事業は、設備工事業に比べて売上規模が小さいが、いずれも安定した収益を計上している。リース事業の2020年3月期に売上高は3,609百万円(売上比は4.4%)、営業利益は248百万円であったが、2025年3月期には2,784百万円(売上比が2.6%)、営業利益は266百万円となった。太陽光発電事業は2020年3月期に売上高は1,954百万円(売上比は2.4%)、営業利益は731百万円であったが、2025年3月期には2,110百万円(売上比が2.0%)、営業利益は800百万円である。それぞれおおむね横ばい傾向である。
配電工事と電気・計装工事が拡大基調、四国電力グループ向けが安定収益源
3. 工事種類別・得意先別の推移(単体ベース)
単体ベースの工事種類別・得意先別の過去6期(2020年3月期~2025年3月期)の売上高及び構成比の推移を見ると、大型案件によって変動するものの、売上高は工事種類別では配電工事と電気・計装工事が拡大基調となっている。配電工事の2020年3月期に売上高は30,021百万円、2025年3月期には35,369百万円となった。電気・計装工事が2020年3月期に売上高は20,165百万円、2025年3月期には35,528百万円となった。得意先別では四国電力グループ(四国電力、四国電力送配電(株))と一般民間が拡大基調である。四国電力グループは、2020年3月期に売上高は34,529百万円、2025年3月期には41,119百万円となった。一般民間は、2020年3月期に売上高は26,647百万円、2025年3月期には44,160百万円となった。また売上構成比は工事種類別では配電工事と電気・計装工事がそれぞれ約3~4割で推移して主力事業となっている。得意先別では四国電力グループが約5割、官公庁が約1割、一般民間が約4割で推移している。一般民間は期によって変動するが、四国電力グループが安定収益源となっている。なお同社資料によると、2025年3月期の単体ベースの地域別売上高は四国ほかが757億円、首都圏が124億円、関西圏が58億円となった。
人手不足がリスク要因だが、受注案件精査・選別で採算性向上
4. リスク要因と課題・対策
建設業界の一般的なリスク要因としては、景気等に伴う建設投資変動と受注競争激化、人件費や資機材価格の高騰による工事利益率の低下、人手不足による施工力の制約、計画変更等による工期遅れ、施工不具合に伴う賠償責任、環境規制や技術革新への対応遅れなどが挙げられる。
建設投資については、一般民間建築に関しては変動の可能性があるものの、大都市圏の再開発案件や地域の社会資本整備等により底堅く推移する見込みである。同社の場合は四国電力グループ向け電力送配電設備工事が安定収益源となっているため、需要変動によって業績が悪化するリスクは小さいと弊社では考えている。人件費や資機材価格の高騰に関しては、業界全体として受注価格への転嫁が進展しているもようである。
人手不足による施工力の制約リスクに関しては、2024年度から適用開始された時間外労働の上限規制による影響が、同社だけでなく建設業界全体のリスク要因として意識される。一方で、昨今の旺盛な建設需要に対して施工力が追いつかない状況であるため、採算性を一段と重視した受注(いわゆる選別受注)を行うことで、工事の採算性向上につなげている。また同社は資機材調達を含めた原価管理の強化や施工効率の向上に加えて、積極的な人材採用・育成を進めており、M&Aも活用しながら施工力を高める方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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