四電工 Research Memo(4):設備工事業の利益率が上昇、リース事業と太陽光発電事業等は安定した収益を計上
■四電工<1939>の事業概要
2. セグメント別の推移
セグメント別業績(セグメント間内部取引消去等調整前)の推移を見ると、設備工事業の2026年3月期の売上高は94,034百万円となった。前期との比較では、複数大型案件が前期に完工した反動で7.2%減少したものの、これを除くと2021年3月期の82,379百万円から拡大基調である。また設備工事業の営業利益は2021年3月期の3,899百万円から2026年3月期は7,311百万円へと増加し、営業利益率は4.7%から7.8%へと上昇した。これは需要の高水準推移等を背景とした受注単価の上昇や受注採算性の改善が進展していることに加え、資機材調達を含めた原価管理の徹底や施工の効率化など同社が継続的に推進している各種取り組み施策の成果である。
リース事業及び太陽光発電事業等は売上高がやや減少傾向だが、いずれも安定した収益を計上している。2021年3月期から2026年3月期まで、リース事業は収益認識基準変更の影響により売上高が3,692百万円から3,027百万円へと減少したが、営業利益が279百万円から272百万円へおおむね横ばいで推移し、営業利益率は9〜10%前後で安定的に推移している。太陽光発電事業等は売上高が2,413百万円から2,259百万円へ、営業利益が997百万円から938百万円へとそれぞれ減少したが、営業利益率35%〜42%の間で推移している。
配電工事と電気・計装工事が主力、四国電力グループ向けが安定収益源
3. 工事種類別・得意先別の推移(単体ベース)
単体ベースの工事種類別・得意先別売上高及び構成比の推移を見ると、大型案件によって変動するものの、工事種類別売上高では配電工事と電気・計装工事が拡大基調である。配電工事は2021年3月期の30,429百万円から2026年3月期の36,753百万円へと増加した。電気・計装工事は2026年3月期に26,594百万円となり、大型案件の反動で前期から25.1%減少したものの、これを除くと2021年3月期の23,020百万円から拡大基調である。売上高構成比は配電工事が40%前後、電気・計装工事が30%前後で推移して主力事業となっている。
配電工事と電気・計装工事の拡大に伴い、得意先別では四国電力グループ(四国電力、四国電力送配電(株))と一般民間が拡大基調である。四国電力グループの売上高は2021年3月期の35,239百万円から2026年3月期には42,771百万円へ増加した。一般民間の2026年3月期の売上高は33,210百万円となり、大型案件の反動で前期から24.8%減少したものの、これを除くと2021年3月期の31,256百万円から拡大基調である。売上高構成比は四国電力グループが約5割、官公庁が約1割、一般民間が約4割で推移している。一般民間は期によって変動するが、四国電力グループが安定収益源となっている。また同社資料によると2026年3月期の単体ベースの地域別売上高は、四国ほかが前期比34億円減の723億円、首都圏が同44億円減の80億円、関西圏が同22億円減の36億円だった。
人手不足がリスク要因だが、受注案件精査・選別で採算性向上
4. リスク要因と課題・対策
建設業界の一般的なリスク要因としては、景気等に伴う建設投資変動と受注競争激化、人件費や資機材価格の高騰による工事採算性の低下、人手不足による施工力の制約、計画変更等による工期遅れ、施工不具合に伴う賠償責任、環境規制や技術革新への対応遅れなどが挙げられる。
建設投資については、一般民間建築に関しては変動の可能性があるものの、大都市圏の再開発案件や地域の社会資本整備等により底堅く推移する見込みである。同社の場合は送配電設備工事が安定収益源となっているため、需要変動によって業績が悪化するリスクは小さいと弊社では考えている。人件費や資機材価格の高騰に関しては、業界全体として受注価格への転嫁が進展しているもようである。
人手不足による施工力の制約リスクに関しては、2024年度から適用開始された時間外労働の上限規制による影響が、同社だけでなく建設業界全体のリスク要因として意識される。一方で、昨今の旺盛な建設需要に対して施工力が追いつかない状況であるため、採算性を重視し案件を選別することで、工事の採算性向上につなげている。また、資機材調達を含めた原価管理の強化や施工効率の向上に加えて、積極的な人材採用・育成を進めており、M&Aも活用しながら施工力を高める方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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