イチネンHD Research Memo(3):2025年3月期は13.6%の営業増益となり22期連続の営業増益
1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の業績は、売上高が154,920百万円(前期比12.1%増)、営業利益が10,279百万円(同13.6%増)、経常利益が10,318百万円(同9.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が6,657百万円(同45.7%減)となった。親会社株主に帰属する当期純利益が大幅減となったのは、前期に新規連結子会社の負ののれん発生益(6,354百万円)を特別利益として計上したためである。
(1) 自動車リース関連事業
自動車リース関連事業のセグメント売上高は61,361百万円(前期比4.6%増)、セグメント利益は6,547百万円(同13.0%増)となった。リースは契約台数が順調に推移したことに加え、車両販売の販売単価が上昇したことにより利益が増加した。
リース事業では、比較的競合の少ない地方市場及び中小口企業への拡販、既存顧客への取引深耕を積極的に進めたことなどから契約数は順調に拡大、期末の契約台数は96,117台(前期末比700台増)、リース契約高は45,928百万円(前期比1.3%増)、リース未経過契約残高は98,395百万円(前期末比6.4%増)となった。
自動車メンテナンス受託では、メンテナンス受託契約台数は75,987台(前期末比1,012台増)となった。メンテナンス受託契約高は6,693百万円(前期比3.6%増)、メンテナンス未経過契約残高は8,879百万円(同3.7%増)となった。
燃料販売では、低燃費車の普及により全体の需要は減少傾向にあるが、燃料給油カード発券枚数が247,989枚(前期末比4,361枚増)となり、既存顧客へのサービス向上並びに新規顧客の獲得に注力したことで販売数量は増加した。また仕入価格が安定したことで、利益は順調に推移した。車両販売では、販売単価が上昇したことから、売上高・利益ともに増加した。車体修理管理サービスの売上台数は、前期比1,011台増の8,648台となり、売上高も1,318百万円(前期比23.9%増)と増加した。
(2) ケミカル事業
ケミカル事業のセグメント売上高は11,854百万円(前期比0.5%減)、セグメント利益は848百万円(同15.1%減)となった。自動車整備工場向けケミカル製品、機械工具商向けケミカル製品、船舶用燃料添加剤の販売は順調に推移したが、燃料添加剤、石炭添加剤、一般消費者向けケミカル製品の販売が低調に推移したことからセグメント売上高が微減となったうえ、営業活動の増加等に伴い販売費及び一般管理費が増加した影響によりセグメント利益は減少した。
(3) パーキング事業
パーキング事業のセグメント売上高は7,905百万円(前期比5.4%増)となり、セグメント利益は1,265百万円(同12.8%増)となった。新規駐車場の開発が順調に進み、駐車場管理件数は1,932件(前期末比36件増)、管理台数は36,925台(同627台減)となり、既存駐車場の継続的な収益改善活動の効果もあり、売上高・利益ともに増加した。
(4) 機械工具販売事業
機械工具販売事業のセグメント売上高は36,085百万円(前期比0.3%減)、セグメント損失が141百万円(前期は384百万円の利益)となった。自動車部品及び産業資材並びに空調工具及び計測工具の販売は順調に推移したが、建設機械部品及び産業機械部品の販売は減少した。特に某大手建機メーカー向けが減少したことが響いた。主力事業における販売が減少したのに加えて、不良在庫を整理したことや営業活動の増加等に伴い販売費及び一般管理費が増加したことでセグメント損益は赤字となった。
(5) 合成樹脂事業
合成樹脂事業のセグメント売上高は19,026百万円(前期比9.8%増)、セグメント利益は336百万円(同0.8%減)となった。半導体実装装置メーカー等へのセラミックヒーターの販売が順調に推移したことに加えて前期に連結子会社となったマルイ工業が販売増加に寄与して増収となった。ただし損益面では、マルイ工業の海外子会社において、退職給付費用計上等の影響により利益が減少した。
(6) 農業関連
前期から新セグメントとなった農業関連の売上高は17,578百万円(前期は、5,673百万円のセグメント売上高)、セグメント利益は1,168百万円(前期は、167百万円のセグメント利益)となった。農作物(主にトマト、ピーマン)の販売単価が上昇したことに加えて前期に連結子会社となった日東エフシーが通年で寄与したことから大幅増収となった。損益面でも販売単価の上昇と日東エフシーが利益増加に寄与した。
(7) その他
その他事業のセグメント売上高は2,153百万円(前期比3.7%増)、セグメント利益は236百万円(同9.2%増)となった。ガラス関連事業を行う新光硝子工業及び新生ガラスの業績が順調に伸びた。
自己資本比率は31.5%となり、目標の35.0%に近づく
2. 財務状況とキャッシュ・フロー
2025年3月期末の流動資産は96,914百万円となり、前期末比1,917百万円増加した。主に現金及び預金の増加788百万円、受取手形及び売掛金(電子記録債権含む)の減少1,712百万円、リース債権及びリース投資資産の増加2,316百万円、商品及び製品の減少910百万円などによる。
固定資産は108,376百万円(前期末比829百万円増)となった。主に有形固定資産の増加1,889百万円(うち賃貸資産の増加1,734百万円)、無形固定資産の減少225百万円、投資その他資産の減少834百万円(うち投資有価証券の減少808百万円)などによる。以上から、期末の資産合計は205,371百万円となり、前期末比で2,765百万円増加した。
流動負債は57,506百万円となり前期末比で6,052百万円減となった。主に支払手形及び買掛金(電子記録債務含む)の減少1,679百万円、短期借入金等(1年内償還予定の社債、1年内返済予定の長期借入金、コマーシャル・ペーパーを含む)の減少2,883百万円などによる。固定負債は同4,429百万円増の82,468百万円となった。主に社債の増加9,800百万円、長期借入金の減少5,789百万円による。この結果、負債合計は139,975百万円となり前期末比で1,622百万円減少した。純資産合計は65,395百万円となり前期末に比べて4,388百万円増加した。要因としては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加5,167百万円、その他有価有証券評価差額金の減少262百万円等による。
2025年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは4,018百万円の収入となり、主な収入は税金等調整前当期純利益の計上10,195百万円、減価償却費18,661百万円、主な支出はリース債権及びリース投資資産の純増2,970百万円、賃貸資産の純増17,608百万円などであった。投資活動によるキャッシュ・フローは2,067百万円の支出であったが、主に有形及び無形固定資産の取得による支出2,130百万円などによる。財務活動によるキャッシュ・フローは1,329百万円の支出となったが、主な収入は長短借入金等の増加による収入1,079百万円、主な支出は配当金の支払い1,502百万円などであった。その結果、2025年3月期中に現金及び現金同等物は788百万円増加し、期末残高は9,162百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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