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SI Research Memo(6):ERP、AI、開発支援ツールにリソースを集中、新規事業の育成にも積極的に投資


システムインテグレータは、新しい2年経営計画の下でERP、AI、開発支援ツールにリソースを注ぎ、収益性を高めることを目指します。2026年2月期には売上高5,000百万円、営業利益336百万円を掲げ、持続可能な成長とガバナンス強化を追求します。また、技術力と競争力を強化するために組織再編を実施する予定です。さらに、新規事業の育成に積極投資し、安定成長を実現すべくERP事業と新たな成長の柱を確立すると共に、質の高い人材採用と育成を重視します。長期ビジョンとして2028年には71億円、2033年には120億円の売上を目指し、新規事業開発や企業間提携、M&Aを通じて収益拡大を図ります。

*11:06JST SI Research Memo(6):ERP、AI、開発支援ツールにリソースを集中、新規事業の育成にも積極的に投資 ■システムインテグレータ<3826>の今後の見通し

2. 2年経営計画
(1) 業績目標と基本方針
同社は期初に2ヶ年の経営計画「2年経営計画」を発表した。計画2年目となる2026年2月期の業績目標は売上高で5,000百万円、営業利益で336百万円とし、E-Commerce事業が含まれていた2024年2月期の業績水準を上回ることを目指す。営業・開発機能の強化により各事業を成長軌道に乗せる計画だ。

ミッションについては従来と変わらず、「時間を奪うのではなく、時間を与えるソフトウェアを創り続ける」ことを掲げ、「企業向け業務システム」にリソースを集中し、基幹システムから開発支援ツール、AIシステムなどの既存事業のさらなる成長に加えて、企業の業務課題を解決する新たな製品・サービスの開発・育成に向けて積極投資を行う方針だ。

2026年2月期の目標としては、「持続的な成長とガバナンス強化を両立し株主価値最大化を推進する」ことを掲げ、その実現に向けて、「トップレベルのシステムコーディネーターとして、顧客の『業務・課題解決』に期待以上の価値を提供できる社名通りのシステムインテグレータに変わる」ことを目指す。

<2ヶ年の基本方針>
・収益力強化に取り組み、すべての事業において継続的に1%の収益性改善を図ることで、売上高営業利益率10%の早期奪回を目指す(直近では2022年10月期に12.2%を達成)。生産性向上に向けては、AI技術も社内で積極的に活用する。

・事業方針については、業務系システム、AI、開発支援ツール領域にリソースを集中し、同社の強みを生かした課題解決モデルを確立することで安定成長を実現する。また、次の10年を支える新規製品・サービスを創出すべく、新規事業開発にも積極投資を行う。

・人材・組織については、高い技術力と価値提供力ある行動力豊かなプロフェッショナル人材の育成に取り組むほか、2024年3月の組織再編成(開発と営業機能の分離)により技術力と競争力の向上を図る。人材採用については質の高い新卒の採用と即戦力となる中途採用の両方を行っており、2025年2月期も前期と同様25名程度の採用を計画している。また、2025年2月期から運用を開始した新人事制度において、業務実績やコンピテンシーを重視する人事評価体系に変更しており、社員のモチベーションのアップとエンゲージメントの向上につなげる。

・投資については、持続的成長のための事業及び人材への投資のほか、M&Aも含めた企業提携への投資も進める。M&A対象としては、ERP事業の成長につながるITエンジニアを抱えるシステム開発会社となり、年商数億円規模、人員で20~30名規模の案件について精査を進めている。以前よりもM&Aコストが低下しており、成約の可能性が高まっている。

・経営インフラについては、経営管理データを整備し、データ分析を行いながら機動的な経営判断を行えるような体制を構築する。

・株主還元については、TSR(株価上昇+配当金)向上を目指し、安定的かつ継続的な株主還元を実施する。

・ESG・SDGsの取り組みについては、経営の透明性の維持・確保と、競争優位性を図る執行体制、監視体制を構築するなどガバナンス体制を強化していくほか、各事業拠点において地域社会への貢献活動を従来と同様に推進する。

(2) 長期ビジョン
長期ビジョンとして、2028年2月期に71億円、2033年2月期に120億円の売上目標を掲げている。長期視点での取り組みとしては、「Object Browser」のように製品名称が会社認知となるような強い製品とブランド力の形成を図るほか、ERP事業(GRANDIT)に続く新たな柱を育成すべく、新規事業開発や企業間提携、M&Aなどにも積極投資していく。これらの取り組みにより、長期的には売上高で30~50億円規模となる事業を少なくとも3つ育成し、収益拡大を目指す方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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